くわしい音楽知識がなくても、パソコンを使って簡単に作曲・作詞ができる音楽作成ソフト。「ミュージックビルダー グランパバージョン」は、歌詞の入力と簡単なドラッグ操作だけで、簡単に歌詞付きの音楽を作れるソフト。メロディを作曲できるだけでなく、音声合成により、実際にパソコンに歌わせることもできる。
特徴のひとつが「最初に歌詞を入力する」こと。歌詞は、基本的に4小節単位で入力する。歌詞の入力後に、画面中央の「作曲パネル」内をマウスでドラッグして、音程の入力を行う。パネル内の横線が音階、左右方向は時間軸を示し、ドラッグした左右の長さが音の長さになる。
音程と音の長さは、歌詞1文字単位で指定する。例えば、歌詞の文字数が10文字の場合には、歌詞に対する音程と音の長さの設定を10回行う。(歌わせることを考えると)歌詞はすべて、ひらがなまたはカタカナで入力した方がよいが、文字に対して「読み」を設定できるようになっており、漢字を使った場合でも歌わせることはできる。漢字1文字に対して2文字以上の読みを設定した場合は、入力した音符の長さを文字数で均等割りする形で歌詞が発音される(音程はすべて同じになる)。発音は日本語ベースで行われるため、英単語を含むような歌詞の場合は、発音をかなで入力する。
表示用や楽譜用に歌詞を編集する「歌詞カード」機能もある。歌詞の文字と読みを異なるように設定したり、英語を使用した曲の作成などに対応したりといったことも可能だ。
入力した歌を歌わせることができることも特徴のひとつ。音声合成で歌われるが、十分に「歌」として聞こえるレベル。音声合成エンジンは、クリエートシステム開発株式会社の「ドキュメントトーカ」をカスタマイズしたものが使用されている。
歌声は、標準的な大人の男性のものと子どもの声との2種類から選択できる(子どもの声は、聞きようによっては女声のようにも取れる)。発声に対してディレイやビブラートなどの効果を適用することも可能だ。
曲に伴奏を付けることも可能。リズム伴奏は、プリセットされたものが多数用意されており、音源、拍子、リズムの種類などを選択するだけで付加することが可能。コード進行は、ユーザが指定できるほか、曲の解析により、ソフトに自動生成させることもできる。
音声合成は、四声までの同時発声が可能。主旋律に対して楽器ではなく、音声合成によるコーラスを付けたり、合唱や輪唱といった歌わせ方をしたりといったことも可能。別々の歌詞やメロディを同時に歌わせることもできる。
そのほか、作曲した内容を楽譜として書き出す機能などもある。