「The Missing Sync for Windows Mobile」は、WILLCOM W-ZERO3シリーズやイー・モバイル EM・ONE、SoftBank X01HTなどのWindows Mobile搭載マシンとMac環境との連携を行うためのソフト。主な機能は、大きく分けて「PIMデータの同期」「Mac上にWindows Mobileをマウント」「MacからWindows Mobileへのインストール」の三つ。このうち中心となるのがPIMデータの同期機能で、

• Macの「iCal（イベント/ToDo）」とWindows Mobile機の「予定表」「仕事」
• Macの「アドレスブック」とWindows Mobile機の「連絡先」
• MacのメモソフトとWindows Mobile機の「メモ」

操作の流れは、（1）どの項目を同期させるか、また「同期（双方向）」か「Mac上でデバイス（Windows Mobile機）を上書き」かをあらかじめ設定した上で、（2）「同期」アイコンをクリックするというもの。例えば、写真データの送り元や保存先フォルダを指定したり、イメージのサイズをしたりなど、項目ごとに詳細な設定を行える。

同期の実行中には、前回から追加・削除されたデータの数や、一致しないデータの内容などが表示される。処理設定は、プロファイルとして保存しておくことが可能で、複数のプロファイルを切り替えて、用途に応じた同期を実行することができる。

PIMデータの同期のほかにも、

• 指定フォルダ内の画像/音声/動画ファイルの読み込み/書き出し
• SafariのブックマークのWindows Mobile機へのエクスポート
• iTunesのプレイリストのコピー

Windows Mobile機を外部デバイスとしてマウントすることも可能。MacのFinderにWindows Mobile機の内容が表示され、外付けハードディスクなどと同じ操作で、ファイルのコピー/移動/削除を行える。Windows Mobile機に装着されたminiSDなどのメモリカードも、同様に扱うことができる。さらに「マイ ドキュメント」フォルダの内容をMacにバックアップする機能も備えている。

MacからWindows Mobile機へのインストールでは、

• CAB形式のアプリケーションのインストール
• QuickTimeムービーをMP4形式にエンコードしてインストール

Mac OS XとWindowsベースのWindows Mobile機では、メニュー構成やデータの扱い、使い方などもかなり異なるが、その違いを巧みに解消して、データの同期を行ってくれる点が最大のポイントだろう。ただし、両者のPIMデータは項目の種類が異なるので、同期にはカテゴリーを揃えるように設定したり、入力の仕方を多少工夫したりする必要はある。

単純なファイルのコピーや特定アプリケーションデータの移動/コピーなど、MacとWindows Mobile機との間で臨機応変にデータをやり取りすることも可能で、PIMデータ以外のデータ同期にも利用できるだろう。

その後、Windows Mobileへの改称とともに、さまざまなメーカーのスマートフォンと呼ばれる携帯電話に採用され、現在では主流となっています。それにともなって、「The Missing Sync for Windows Mobile」も安定性を高めるとともに、進化を続けてきました。現在のバージョンではMac OS Xの標準アプリケーションとの同期を主眼に置き、予定やタスクはiCal、連絡先はアドレスブック、音楽ファイルはiTunesと連携する仕組みになっています。

あたかもMac OS Xの標準の機能であるかのように、Windows Mobileを搭載したスマートフォンと連携が行えることは、Windows Mobile搭載のスマートフォンをお持ちであるMacユーザのみなさんには大きな魅力であると思います。