ほかの実行プロセスにほとんど影響を与えずに動作する、高速なファイルコピーソフト。上書きコピーや差分コピー、同期などに加え、ファイルの移動や削除も可能。「FastCopy」は、指定フォルダ内のファイルを高速にコピーすることが可能なソフト。Unicodeでしか表示できないファイル名や、パスの長さが260文字を超える場合でもコピーや削除を行える。コピー対象の指定はフォルダ単位で行う。「;(セミコロン)」で区切ることで、複数のコピー元をまとめて指定することも可能。コピー先パスの記述方法(パスの末尾に「\」を記述する/しない)により、「コピー元をフォルダごとコピー」「コピー元フォルダの内容をコピー」の二つの動作を使い分けられるようになっている(コピー元フォルダがひとつのとき)。
動作モードは大きく分けて「差分」「コピー」「同期」「移動」「全削除」の5種類。差分では、コピー先に同名ファイルが存在する場合の動作を、
- 上書き処理しない「差分(上書きなし)」
- ファイルサイズや日付が違う場合のみコピーする「差分(サイズ・日付)」
- 日付が新しければコピーする「差分(最新日時)」
から選択・設定できる。「全削除」では、対象となるファイル/フォルダがすべて削除される。フィルタ機能により、特定の文字列を含むファイルだけを抽出したり、除外したりすることも可能。また、あらかじめ処理対象ファイルの一覧や総容量を確認できるリストアップ機能も用意されている。そのほかにも、バッファサイズの指定、エラー発生時の継続/中断の選択、速度調整、コピー完了時間の予測やデータのベリファイ、NTFSでのアクセスコントロールリスト、副次ストリームのコピーといったオプションを設定することが可能。設定情報を「ジョブ」として登録しておけば、繰り返し実行することが可能だ。
「一般設定」では、コピー元/コピー先の履歴記録数や、復元無効化(削除の実行後、ランダムなデータを上書きすることでファイルを復元できないようにする)、I/O単位の指定など、より詳細な設定を行える。「シェル拡張設定」では、右クリック時やドラッグ&ドロップ時に表示されるメニューに「FastCopy」の機能を登録することができる。
コピー終了時のシャットダウンやスタンバイモードへの移行、コマンドラインモードでの実行なども可能だ。