「A列車で行こう」シリーズの礎となった初期三作品を、当時の雰囲気を伝える数々の資料とともに完全複刻した、ファン垂涎のプレミアムパッケージ。「A列車で行こうII」は、今回が初の複刻となる。「A列車で行こう」初期三作品が完全収録された、ファン待望のパッケージ
「A列車で行こう Legend Pack」は、鉄道をモチーフにしたシミュレーションゲームの名作「A列車で行こう」シリーズの初期三作品が収録されたプレミアムパック。シリーズ第一弾の「A列車で行こう」から、Windows版への初の移植となる「A列車で行こうII」、現在のシリーズまで引き継がれるシステムの基礎を作った「A列車で行こうIII」までの三作品をWindows Vista/XP環境でプレイできる。当時発売された2種類の拡張ディスクの内容も同梱され、長らくプレイすることのできなかった幻のマップをたっぷりと楽しむことが可能。「Legend Pack」ならではの特典として、当時の商品パンフレットや初期パッケージの付属物などを閲覧できる「資料ライブラリ」や、当時のBGMを試聴できる「サウンドモード」も搭載されている。
すべてのはじまりとなった、鉄道をモチーフにした名作ゲーム
「A列車で行こう」は、言うまでもなくシリーズの第一弾。都市を構築して発展させることがメインとなっている現在の「A列車で行こう」シリーズとは趣が異なり、むしろ「鉄道をモチーフにしたアクションパズルゲーム」といった方がよい。「制限時間内に、マップ上で展開されるさまざまな課題をいかにクリアするか」がテーマになっている。
プレイヤーは、大統領の特命を受け、大陸横断鉄道会社の社長に就任する。特命の内容は「わずか10万ドルの資金を元手に大統領官邸前から西海岸の別邸まで、1年間で大陸横断鉄道を完成させる」というもの。365日という限られた日数の中、貨物列車を走らせて必要な資材を駅から駅まで運び、次いで旅客列車を走らせて、旅客運賃で足りない資金を補いながら、マップ最上部までレールを延ばすことが目的。最後に、完成した線路上に大統領専用列車を走らせて、無事別邸までたどり着ければゲームクリアとなる。
ゲームのポイントは「旅客列車、貨物列車、A列車という複数の列車を、衝突させることなく走行させられるよう、いかにして鉄道網を構築するか」ということ。現在のシステムとは異なり、レールの端に車止めを設置しないと、たちまち脱線事故が発生してしまうことも特徴だ。駅やレールを敷設できる唯一の存在であるA列車や大統領専用列車が事故を起こしてしまうとゲームオーバーになってしまう。
「どのようにして採算性のよい路線を構築して資金を稼ぐか」「夜間にはレールの敷設・撤去、トンネル掘りなどができないという制限の中でいかに効率よく作業をするか」「平地にしかレールを施設できないという制限の中でどうやって山林や民家、畑などしかない土地にレールを通すか」など、さまざまな問題を克服しながら鉄道網を完成させてゆくのが楽しい。マップは、初級練習編の「マップ#1」から超上級編の「マップ#5」まで、計5種類が用意され、プレイヤーの腕に応じてチャレンジできるようになっている。
Windows版初の複刻となる、超上級難易度のシリーズ二作目。幻のマップも再録
「A列車で行こうII」は、システム的には一作目とほとんど変わらないが、一作目にあったいくつかの問題点が解決されているのに加え、一作目で使えた裏技が使えなくなっているなどの違いがある。10個のファンクションキーに操作モードが割り振られるなど、操作体系も若干、異なっている。
ストーリーは一作目と繋がっている。プレイヤーは前回の実績が評価され、今度は友好各国の要人をその別邸まで無事に届けるという特別任務が課される。期間は1年、初期資金も一作目と同様の10万ドル。マップは、オリジナルの「A列車で行こう」に収録されていた「アメリカ大陸」「中国から朝鮮半島」「北欧からシベリア」「日本列島」「ヨーロッパ・オリエントエクスプレス」に加え、「拡張ディスク」に収録されていた「シルクロード西方」「シルクロード東方」「ナイル川沿岸」「江戸時代の日本・東海道」「オーストラリア」の上級マップの計10種類が用意されている。
一作目に比べて、マップの難易度はかなり高くなっている。最も簡単で、一作目のマップのおさらい的な「アメリカ大陸」でも前作より難しい。基本的に最初の人口が少なく、レールや駅の配置を慎重に考えないと、たちまち大赤字となって資金を失い、ゲームオーバーになってしまう。地形もレールや駅を建設できる場所が限られているところが多い。そのため、先を十分に見越してレールを敷設しておかないと、新たに建った民家などでルートが塞がれてしまい、攻略不可能になってしまう。まずは、一作目をしっかりやり込んでからチャレンジすべきバージョンだ。
鉄道会社経営シミュレーションとしての方向性を確立した記念すべきバージョン
「A列車で行こうIII」ではシステムが一新され、画面がクォータービューへと変化して高層ビルなども登場する。シリーズのターニングポイントとなったバージョンだ。前作までのように線路を敷設したり、駅を作ったりするだけではなく、「工場」「デパート」「ホテル」「ゴルフ場」「遊園地」「マンション」「貸しビル」などの建物を直接建てて、都市計画を行うことが可能になった。魅力的な街を作ることができれば住民も増え、電車の乗客が増えて収益も上がるようになっている。
また、このバージョンからはゲームの内容も、パズルゲームから鉄道会社経営シミュレーションに変化している。収益も鉄道の運賃だけでなく、建てた工場や貸しビル、ホテルなどを運営する子会社からの収益、株式市場での株式の売買、銀行からの借り入れ、土地の売買と、多彩な収支構造が用意されている。
マップは、Windows版に収録された「明るい農村」「湖のある街」「未来都市計画」「オリンピック村」「霧の都」「栄冠は君に2」の6種類のほか、PC-9800版の「ニュータウン構想」「ベイエリア」「リゾート開発」などの6種類、さらに「マップコンストラクション」に収録されていた「過密都市を救え」「向こうは広いぞ!」「美しき国立公園」などの6種類の計18種類が収録されている。搭載された「マップコンストラクション」機能を使って、オリジナルマップを作成することもできる。