写真画像の明るすぎる部分や暗すぎてつぶれた部分を補正して、よりきれいで見やすい画像にできるソフト。「なんちゃってHDR」はその名の通り、画像に対してHDR(High Dynamic Range)合成を施したような効果を与えることができるソフト。ダイナミックレンジの狭いデジカメの画像を、より肉眼に近い見え方に仕上げることができる。例えば、晴れた日の屋外での撮影で、明るい部分と暗い部分の差が大きな写真で、明るすぎる部分や暗すぎる部分の明るさを補正し、画面全体がより均一な感じに見えるように補正することが可能だ。
HDR合成は、同じアングルで露出を変えて撮影した複数の画像を合成して、明るいところから暗いところまで、画像をはっきりと見えるようにする機能。「なんちゃってHDR」では、複数枚の画像を必要とせず、1枚の画像からHDR合成に似た機能を実現できる。複数枚の画像を使うHDR合成ほどの効果は出ないものの、より手軽にHDR合成に近い効果を得ることができる。
操作は簡単。「なんちゃってHDR」で画像を開いて、「プレビュー」を実行すればよい。処理対象画像の指定は、ドラッグ&ドロップなどでも行える。「処理前」の画像と「処理後」の画像は別タブの画面に表示され、タブを切り替えることで「画像がどのように変わったか」がひと目で確認できる。処理結果が気に入らなければ、「処理前」に戻り、設定を変えて操作を繰り返す。
処理内容の設定は、
- HDR化の程度(HDR補正の強さ)
- 演算サイズ(一度に参照するピクセル範囲)
- 明暗処理の境界(明暗部分の処理対象とする範囲)
- 細部の強調(細部の強調度合い)
の各パラメータを調整することで行える。パラメータの調整により、画像を自然な感じに仕上げることができるのはもちろん、逆に不自然なほどの強い処理を加えることも可能。強い処理を加えると、実写のはずが、あたかも絵画やCGのような印象の画像になる。画像全体の色調を調整するためのカラーフィルタも用意されている。フィルタの種類は「鮮やか」「白黒」「セピア」「鶯」のほか、指定色の色調に変更できるカスタムフィルタも利用できる。
「処理後」の画像は、元画像と同じサイズで出力される「フルサイズ」のほか、現在のプレビューサイズのままでの出力や、長辺が800/1000/1200/1600/1800pixelとなるようにリサイズしての出力も可能。画像はJPEG形式のファイルで保存できる。保存時には、オプションで圧縮率とExif情報の処理方法を指定することも可能。Exif情報の処理方法は「Exifなし」「コピー(Exif情報を書き換えない)」「画像サイズを修正してコピー」から選択できる。