Windows上のほぼすべてのマウス操作をキーボードでエミュレートできるソフト。Windows標準の機能と異なり、操作キーをカスタマイズできる。「KBMouse」は、Windowsで使われるほぼすべてのマウス操作を、マウスがない状態でもキーボードで代行できるようにしてくれるエミュレートソフト。マウスポインタの移動はもちろん、クリック操作やホイール操作など、通常はマウスがなければできない操作も、すべてキーボードから行えるようになる。
「KBMouse」では、マウスの特定操作──例えば上下左右移動やクリックなど──を、それぞれキーボード上の特定のキーに割り当てる。標準設定では、上下左右の移動はそれぞれ【↑】/【↓】/【←】/【→】キーに、またマウスの左ボタンクリックは【Z】、右ボタンクリックは【X】、中央ボタンクリック(ホイール押下)は【A】キーに割り当てられている。例えば「マウスをやや左に移動して左クリック」といった操作をしたければ、【←】キーをしばらく押下したあと、【Z】キーを押せばよい。
キーとマウス操作との対応は、ユーザが自由にカスタマイズすることが可能。Windows標準の「マウスキー」機能では、キーの上下左右移動はテンキーパッドに固定されているが、「KBMouse」では、自由に設定・変更できるようになっている。
マウスの移動方向は、上下左右のほか、斜めも含めて8方向に対して個別にショートカットキーを設定できる。通常速度と低速移動のそれぞれに個別のキーアクションを設定することも可能で、移動操作には16通りのアクションを設定できるようになっている。クリックは、左/中/右ボタンを設定することが可能。ホイールアクションは前方と後方、それぞれの通常速度と低速の2段階のアクションを設定できる。
キーアクションは、キーの単独押下のほか、【Shift】/【Alt】/【Win】/【Ctrl】といった修飾キーを組み合わせた3キー同時押下までを指定することが可能。Windows標準のマウスキーの場合、シングルクリックとダブルクリックに別々のキーが指定されているが、「KBMouse」では、複数クリックは、シングルクリックのキーを複数回入力することで指定する。
「KBMouse」によるエミュレーションの有効/無効(ON/OFF)は、ショートカットキーで切り替えられる。標準設定では【CapsLock】キーが使われるが、これもユーザが自由に設定できる。より入力しやすいキーや、滅多に入力しないキーなどに変更すればよい。
(マウスとは関係なく)キーの入れ替え機能もある。特定のキーが入力された際に別のキーが入力されたことにするもので、例えば「テンキー上の数字キーを入力しただけで、ファンクションキーが入力されたことにする」といったことができる。さらに、マウスポインタに特定のアイコンを表示させることも可能。アイコンはアニメーションさせることができるほか、通常移動の場合と低速移動の場合で、移動方向ごとに設定できるようになっている。
すべてのキー設定やアイコン設定は、ファイルとして一括保存/呼び出しすることが可能。使用するアプリケーションや環境によって最適な設定を切り替えながら使用できる。