「JnaImageFr」は、複数画像をすばやく開くための三つのパネルを備えた画像ビューア。画像の表示倍率は任意に指定でき、回転や上下反転表示も可能。開いているファイルのリストを「オープン情報」として保存しておくことで、必要に応じてまとめて開くこともできる。対応する画像形式はJPEG/BMP/GIF/TIFF/PNG/ICO/CUR/ANI/WMF/EMF。

メイン画面では、左側に三つのパネルが配置され、右側に画像が表示される（初期状態）。画像表示中はステータスバーで画像の大きさや形式、色深度、ファイルサイズなどの情報を確認できるようになっている。三つのパネルは、

• フォルダを選択する「フォルダツリーパネル」
• ファイルを選択する「ファイルリストパネル」
• ファイル操作のコマンドを指定する「ファイルコマンドパネル」

パネルはそれぞれ独立しており、サイズを変更したり、移動したりすることが可能。例えば「フォルダツリーパネルを左側に、ファイルリストパネルを下に、ファイルコマンドパネルは非表示に」といったように、ユーザが使いやすいスタイルにすることができる。ファイルリストパネルでは、表示モード（縮小版/アイコン/小さいアイコン/一覧/詳細）の変更やリストの並べ替え（名前/種類/サイズ/更新日時）も可能だ。

画像の表示倍率は、「ウィンドウサイズ」「（画像が）大きい時、ウィンドウサイズ」「100%」での表示のほか、任意の倍率を指定することが可能。任意の倍率指定ではパーセンテージに加え、3/7といったような分数を使った指定や、縦横いずれかのサイズでの指定にも対応する。

マウスを右クリックしながら【A】キーを押す（またはマウスホイールを回転させる）と、マウスポインタのあった場所を中心に拡大表示させることができる。画像内の一部を拡大して見たい場合などに便利だ。逆に【S】キー（またはマウスホイールを回転させる）と右クリックの併用で縮小表示となる。

そのほかにも、

• 回数無制限のUndo/Redo
• ショートカットキーによる操作
• タブページを終了時以外閉じないようにするロック

目的の写真に辿りつくための三つのパネルは、エクスプローラのような操作感を実現する。さらに、独立してサイズや位置を変更できるので、ユーザが使いやすいスタイルを選択することが可能だ。フォルダツリーパネルとファイルリストパネルを横に並べてもよし、ファイルリストパネルをサムネイルにして下に並べるもよし。パネルを起動時の状態や初期状態にすぐに復元できるのも、地味だが便利な機能だ。

画像の特定部分を拡大して見たいときのために用意された機能もおもしろい。見たい場所にマウスポインタを置いておくと、拡大と同時にその部分を画面中央に持ってきてくれるというものだが、こうしたちょっと気の利いた、痒いところに手が届くような配慮が、このソフトの特徴といえる。

当初は自分が使うだけだから、プリンタのページ設定に対応した縦横比で切り取って、フチなし全面印刷ができればいいやと考えて作りはじめたのですが、だんだん「こういう機能があると便利だよなあ」となってしまい、あれこれ付け加えていった結果、公開に到るまでに2年もかかってしまいました。おかげでいま、ひどい目に遭っています。こうしてできた「JnaImage」の画像ビューア機能を提供するフリーソフト版が「JnaImageFr」です。

開発中に苦労した点
某ミステリードラマの主人公と同様に、細かいことが気になって、こんな機能あるいは使い方は誰も（自分も）しないとわかっていながら、手を入れないと気がすまないので、いろいろと苦労しました。「ああ、こういうこともできるのか」と気づいていただけたら、きっとそれも苦労した点のひとつです。公開後はソフトウェアの修正よりは、ドキュメントの修正やホームページの更新作業に苦労しています。

ユーザにお勧めする使い方
表示画像に位置付け機能は意外に便利です。最近使ったファイルを開いたあとや、エクスプローラからのドラッグ＆ドロップで開いたあとなどに行うと、フォルダツリーパネル、ファイルリストパネルをファイルのある場所に位置付けますので、フォルダツリーをたどる手間が省けます。お気に入りの画像をあとでまとめて開けるようにするには、画像を開いた状態で「オープン情報」ファイルに書き込みを行います。異なるディレクトリにある画像もまとめて開けますし、ロックされたページのみを対象としたり、ロックされていたページはロックして開いたりすることもできます。

今後のバージョンアップ予定
ようやくひと段落したところなので、当面の機能追加の予定はありませんが、アクセスしたフォルダの履歴を記録しておいて、すばやく移動できるようにする機能などを先々追加しようと思っています。