ソフトを開発しようと思った動機、背景
客先のサーバが不調のため、調べていたら何と「Windows」フォルダが消えていた。さらに「Program Files」フォルダまでなかった。ウイルスにやられたらしい。ただ、完全に消されたのなら起動できるはずもないので、どうやら見えないように細工をされたらしい。このときの復旧過程でファイルやフォルダの属性について調べ、この仕組みをうまく使えば便利なツールになると考えて作ったのが「ファイルとフォルダの神隠しII」です。開発中に苦労した点
このソフトは、万一喪失したら重大な影響があるファイルやフォルダを扱うものなので、エラー(例外処理)対応に大半の時間をかけて開発しました。しかし公開後、管理者権限のないユーザでログインした場合、非表示にしたファイルとフォルダの情報が消えてしまうという問題が見つかりました。そこでWindows Vista対応版に合わせて管理方式を改め、ログインユーザごとに情報管理することにしました。
Windows Vistaでは当初、ファイルをドロップしてもすぐに非表示にならず、何が原因なのかとさんざん調べてみたもののわからず、仕方なく「最新の情報に更新」を実行してもらうようヘルプに書いたのですが、その後公開されたServicePack 1を適用したら、何事もなくすぐに消えるようになりました。Vistaのバグだったようです。
ユーザにお勧めする使い方
(1) このソフトはあくまでファイルやフォルダの属性を変更することで非表示状態を作り出しているものなので、完全に秘匿できるものではありません。「通常の使用範囲では気づかれない」という程度のものと考えてください。
(2) エクスプローラなどから見えてなくてもアクセス自体は可能なので、ファイルのパスを直接指定すればソフトでもデータでも気づかれずに自分だけ使うという芸当ができます。
(3) 属性はそのファイル/フォルダに付属するものなので、USBメモリにあるものを隠して別のパソコンに接続しても、非表示のままです。ただしネットワークストレージでは、Windows OSを使っていないので属性の仕様が異なり、消えないことがあります。
(4) 注意すべき点は、ファイルやフォルダ自体が削除されることはないものの、うっかり非表示にしたままプログラムを削除したり、レジストリを削除したりすると復旧に大変な目に遭うかもしれません。ヘルプには手動での解除方法も説明してありますが、ツールの手軽さを考えると非常に面倒です。ですから、ファイルをいくつも非表示にするよりも、フォルダを非表示にする方が対象が少なくて済み、万一の復旧も比較的楽だと思います。ツールの削除は必ず、非表示対象をすべて解除してから行ってください。
今後のバージョンアップ予定
現在追加予定の機能はないので、ご要望があればどうぞ。
(なっちゃん)