記憶を失いながらも、平和な生活を送っていた主人公の生活が、ある日を境に一変する

「TimeRecollection〜タイムリコレクション〜」は、記憶を失った主人公「シャルゼ」が、「蘇憶」という能力を駆使して、人や物に宿る記憶を蘇らせながら過去を紐解いてゆくという設定のRPG。シャルゼは、「アヴィニール」大陸の南に位置する「ファミリア」村の用心棒として生計を立てていた。ある日シャルゼは、村長の依頼で「アルブルの森」を徘徊するモンスターの退治に出かける。そこで「フルク」と名乗る青年に出会い、自らが「蘇憶使い」であることを知らされる。「蘇憶」とは、人や物から記憶を引き出して再現できる力だという。フルクはそれだけを告げると、シャルゼの前から消えてしまう。

突然のことに戸惑いながらも村へ帰還したシャルゼは、ちょっとした好奇心から「蘇憶」の力を使い、壊れてしまった子どものオモチャを直してしまう。そのことで村を追われることになる。

かつて「蘇憶使い」と人間は対立していた。ファミリアは、「蘇憶使い」をかばったために村を滅ぼされた人々たちが、逃げのびて暮らしている村だったのだ。村を追われ、途方に暮れて森をさまよっていたシャルゼは、黒服に身を包んだ白髪の男に出会い、「『オーソン』の町にある『蘇憶石』を探し出せば、お前のすべてが見つかる」と告げられる。その言葉に導かれるように、シャルゼはオーソンへと向かう。

頼りになる仲間を得て、シャルゼの記憶探しの旅がはじまる

港町・オーソンを訪れたシャルゼは、そこで気の強い元暗殺者の少女「クロエ」に出会う。クロエによると最近、町の人々の様子がおかしいらしい。聞き込みを進めるにつれ、シャルゼは、酒場へ行った人々が記憶をなくしはじめていることに気づく。早速酒場へゆき、主人の「エルザ」に話を聞こうとするが、あっさりと追い返されてしまう。

クロエから「酒場の地下で、エルザが石の前に客を立たせて何かやっていた」と教えられたシャルゼは、今回の事件に「蘇憶石」が関係しているのではないかと疑いはじめる。酒場の地下へと乗り込んだシャルゼとクロエは、エルザから「蘇憶石」を奪う。

シャルゼは、「蘇憶石」を通して記憶の一部を取り戻すことができたが、まだ完全に記憶を取り戻したわけではない。クロエとともに大都市「グランミリュ」へと足を運ぶ。この街では、軍人たちが次々に姿を消すという不可解な事件が起こっていた。新たに青年軍医「カッシェ」も加わり、3人は失踪事件の謎を追うことになるが……。

戦闘中やマップ移動時にも有効な「蘇憶」の力を駆使して、すべての謎を解き明かそう

「蘇憶」というアクションを起こし、人や物、場所などに宿る過去の記憶を蘇らせることで物語は進行する。マップ移動や戦闘など、さまざまな場面において「蘇憶」が重要なカギとなる。マップ上に表示されている「蘇憶の紋章」の上に立つと「蘇憶」が発動し、物やマップが過去に戻る。壊れて渡れない橋や、水で覆われてしまった道を渡る際に有効な手段だ。ただし、効果は一時的なもので、マップを移動すると元に戻ってしまう。

戦闘時も「蘇憶変化」というスキルを使用することで、バトルをしている場所の地形を変化させることができる。地形変化が起こると、敵のステータスなどに異常が生じ、すばやさが半分になったり、逃げ出したりといったことが起こる。「蘇憶変化」の効果は5ターンの間しかもたない。同じスキルをもう一度使用すれば、強制的に解除することもできる。「蘇憶変化」を使う際の消費SP（スキルポイント）は0なので、なるべく多く使いたい。

ストーリーも秀逸だ。ゲーム中に挿入されるシャルゼの悲しい思い出や、なぜかいろいろとアドバイスをくれる黒衣の男の存在、そしてフルクの思惑などが複雑に絡み合い、シャルゼの記憶探しの冒険に彩りを添えているる。

登場人物たちは個性的なメンバーが多く、敵味方問わず魅力的なキャラクタばかり。個人的には、絵に描いたような“ツンデレ”ぶりのクロエと、彼女の気持ちにまったく気づかないのんびり屋のシャルゼ、それを微笑ましく見守るカッシェという3人の関係が微笑ましく、シリアスなストーリーを進める上で和むことができた。ストーリー、キャラクタ、システムと、いずれも作り込まれたバランスのよい作品となっている。

開発中に苦労した点
「蘇憶」という今作品の特徴でどのようなテーマを描けるか、どのような遊びが提供できるかなどのアイデア出しで苦労しました。そして、制作体制がほぼ初めての集団で行うため、意思疎通でとても苦労していました。

ユーザにお勧めする使い方
過去を蘇らせることができる「蘇憶」を使ったマップギミック、そして「蘇憶」で地形を変化させることで優位に立てるバトルシステムを堪能してください。

今後のバージョンアップ予定
基本的にありません。制作した者たちがすでに散会しているので。致命的なバグがは修正する可能性がありますが、学生の記録としての側面もあるので、できる限り手を加えたくありません。

他の作品について
この作品の作者の先輩によって、同様の体制で創られた他の作品も公開しています。「WeatherMaster〜空と共に歩む者〜」や「ActionPuzzle（アクションパズル）」もおもしろいですよ。よろしければダウンロードして、プレイしてください。ご感想はmaglogでも受け付けています。
http://maglog.jp/game-digitalarts/