「CGEffecterおにぎり」は、ビットマップ画像にさまざまな加工を施すことのできる、軽快な画像処理ソフト。色調補正や回転・反転といった基本的なレタッチ機能も搭載する。標準で対応する画像形式はBMP/JPEG/PNG。Susie Plug-inに対応し、プラグインを導入することで読み込める形式を増やせる。

メイン画面は、ツールバーなどを持たないシンプルなデザイン。操作はメニューバーから行う。処理の内容は「補正」「カラー変更」「回転」「フィルタ」「画素変更」「サイズ変更」の各サブメニューにまとめられている。「補正」で行えるのは、ガンマ補正、明るさ補正、コントラスト補正、色調補正、HLS補正の各処理。いずれもダイアログボックス上の縮小イメージで確認しながら、スライドバーを動かして補正量を設定できる。

「カラー変更」には、ネガポジ反転、ポスタリゼーション、ソラリゼーション、セピアカラー、グレースケールの各メニューが用意されている。ソラリゼーションではMAX/MINを選ぶことができるほか、セピアカラーではNormal/Red/Green/Blue/Purple/Metalの6種類、グレースケールではNormal/Red/Green/Blueの4種類から指定できる。「回転」では、左90度回転、右90度回転、180度回転、水平反転、垂直反転を行える。

「フィルタ」には、多数の処理メニューが用意されている。3種類のエンボス処理やシャープ、ソフト、サンパワー、/水平差分/垂直差分、ラプラシアン、オイルペイントなど、さまざまなフィルタ処理を適用することが可能だ。

「画素変更」では、カラー深度を4Bit（16色）、8Bit（256色）、24Bit（TrueColor）から選べる。「サイズ変更」では、画像のサイズをパーセンテージや縦横のピクセル数で指定してリサイズを行える。補間アルゴリズムはバイキュービックやバイリニアなど、15種類から選べるようになっている。

特に拡大・縮小機能は、補間アルゴリズムが計15種類と豊富で、かなりグラフィックソフトに慣れた人でないと、それぞれの違いがわかりにくいかもしれない。この点についてはヘルプに実際の処理例が紹介されているので、これを参考に実際に試してみるのが一番だろう。ヘルプには、そのほかにも「うまい使い方」として、コマンドの組み合わせによる使用例やカスタムフィルタのパラメータ設定例が紹介されているので、最初のうちはこれらを参考にしながら独自の設定を試すとよい。

「画像処理はこれ一本でOK」といったタイプのソフトではないが、画像処理のアルゴリズムについて勉強したいときや、Web用の素材などでちょっと変わった効果がほしい場合に重宝しそうな一本だ。

このソフトはもともと高校の卒業研究として制作を開始しました。そのころDelphiという私にとっては使い勝手のよい開発ソフトに出合い、その言語の勉強の一端として画像処理のサンプルコードを組んでみたのがきっかけでした。いまでは、セピアカラーや画像の拡大・縮小機能など、さまざまな画像処理機能を搭載しておりますが、最初のころはBMP形式の読み込みと保存、ネガポジ反転しかできませんでした。

あまり時間が取れなくて更新ができなかった時期もありましたし、独学で画像処理の勉強をしているので、わからないこともたくさんありました。ここまで開発できたのは、やはり使ってくださるみなさまのおかげかと思います。仕事も社会も一緒で、よいものを作るには人との繋がりが大事だと常々思っております。「頑張ってください」などの応援や「ありがとうございます」といった感謝の言葉をいただくことが、開発時における苦労をどれだけ癒してくれることか身をもって知りました。このソフトを通じて少しでも恩返しができれば、とてもうれしく思います。

「CGEffecterおにぎり」の強みは、本体のみで起動し、軽快かつ高速に動作することをコンセプトに開発していることです。もちろん、機能面でも拡大・縮小機能には特に力を入れており、きれいに拡大・縮小を行うことができます。また、Ver.1.09からJPEG形式の保存機能を大幅に改善し、ダウンサンプリング比の変更や最適化して保存する機能を搭載いたしました。これにより、JPEGのファイルサイズをいままでより小さく保存することもできるようになりました。本体のみで動きますので、使い方に慣れてしまえば本体をUSBに入れて、必要なときにすぐに使えると思います。

今後のバージョンアップについてですが、おもしろい画像処理効果を見つけ次第、搭載していきたいと思っております。これからも画像処理ソフト「CGEffecterおにぎり」と夜羽烏月をよろしくお願いいたします。