「LYRICALOID 迷句リリ」は、マルコフ連鎖を利用した自動作詞ソフト。歌詞は、操作するたびに毎回異なるものが生成される。意味を持たないランダムなひらがな音を作成することも可能。操作は、

1. 歌詞を付けたい曲に合わせて、スタイル（歌詞辞書）を選択し、
2. 音節/音数、行数を設定して、
3. 「作詞」ボタンをクリックする

ひらがなをランダムに並べて、指定した音節/音数、行数で音を生成する機能もある（スタイルは無視される）。呪文や叫びなど、意味をなさない音の羅列を歌詞の中に入れてみたいときなどに利用してみるとよい。

仕様に従ったテキストファイルを用意すれば、オリジナルのスタイルを作成することも可能。スタイル用の辞書ファイルは「*_st.dic」と「*_mk.dic」で、「st.dic」はスタート辞書。文頭にくる単語を選択するもので、単語とその読み音数を「,」（カンマ）で区切っただけのシンプルな構造となっている。出現頻度の重み付けは重複登録の数で行われる。「mk.dic」はマルコフ辞書で、単語の連鎖を決定する。

生成された歌詞は、さすがにそのまま使うことはできないものの、行ごとに見ればそれなりに意味の通じる文になっていることが多い。これをヒントにして手を加えることで、歌詞を完成させることは十分に可能だろう。歌詞の元になる辞書がテキストファイルなので、自分の好きなフレーズを辞書に追加して自分好みに育てることもできる。

ランダム機能を利用して“魔女っ子もの”の変身呪文を考えるなど、アイデア次第で歌詞の作成以外にも応用が利きそうだ。

制作で意識した点
歌詞にする場合、どうしても音数や音節という制限がついてくるので、できるだけそれらしく見せることができるように調整したつもりです。また、ユーザ独自辞書との相性と、ランダム生成のおもしろさを重視して、テンプレート穴埋め式ではなく、マルコフ連鎖モデルを採用してみました。

ユーザにお勧めする使い方
作りたいジャンルに合わせて、自分の好きな言い回しや作詞メモなどを集めて独自辞書を作ると、少しだけ実用度がアップするかもしれません。音節/音数の指定ができるので、例えば「5音のフレーズを探す（作る）」といった使い方もできます。

今後のバージョンアップ予定
ひとまず思いついたことは実現しましたが、不具合報告をいただければ順次対応いたします。また、機能の追加や改善などのご意見をいただければ、ぜひ参考にさせていただきたいと思います。