「Endless-Struggle´ 〜first fatal contact〜」は、爽快感あふれる戦闘システムが魅力のRPG。物語は、都会から離れた緑と水の豊かな「イニ村」で、不可解な行方不明事件が多発するところからはじまる。イニ村近郊にライドニウム採掘鉱を所有する「アルテッツァ社」はこの事態を重く見て、腕の立つ社員で精鋭調査隊「ADART」を構成し、村に派遣する。しかし、事件の原因を追及するどころか、ADART隊員たちの音信も途絶えてしまう。

アルテッツァ社の社長を父に持つヒロイン「セリカ・B・アルテッツァ」は、ADART隊の一員であった恋人「アコード・バチスタ」が失踪したと知らされ、侍女の「シセリア・ルーベ」とともに、事件の発端となったイニ村へ足を運ぶ。そこで剣士見習いの少年「フェキサ・G・ライラ」と出会い、3人で村の近郊の「カーナの森」へと向かうことになる。

森への途中、ADART隊員「クライフォン・アスティ」を見つけたセリカは、アコードがクライフォンを庇い、モンスターの囮になったことを告げられる。さらに、アルテッツァ社のライバル企業「エンパイア・ゼネラル・コーポレーション社」がイニ村の付近に特別施設を建設し、モンスター兵器の研究を行っていることも聞かされる。

セリカは、フェキサの師匠で、かつて凄腕の傭兵として活躍した「グラスト・ファンベルグ」の助けを借り、アコードの行方とエンパイア・ゼネラル・コーポレーション社の研究について調査を開始。しかし、強力なモンスター「トライゼアル」や、属性武器を自在に操る謎の剣士「フレイア・サースト」が立ちはだかる……。

戦闘システムは、「RPGツクールXP」を使用したオーソドックスなもの。戦闘に参加できるキャラクタは、主人公で行動派のお嬢様セリカ、しっかり者のメイドのシセリア、イニ村に住む剣士の卵フェキサ、仲間思いのADART隊員クライフォン、荒鷲の通り名で有名だった一流の傭兵グラストの5名。それぞれ攻撃スタイルに特徴がある。

セリカは、武器として銃を使用する。体力が少なく攻撃力も低いため、攻撃に参加する際は、敵からの攻撃を半減する「防御」コマンドを使用することがお勧め。パーティ内で唯一「回復系スキル」を持つため、戦闘の際はもっぱら支援に回すとよい。

展開式ハルバード（斧槍）を武器として使用するシセリアは、一発の威力が強力な前衛向きのキャラクタ。しかし打たれ弱く、属性攻撃や毒、痺れといった状態異常系の攻撃に弱い（ようだ）。

攻撃力やスピードに長けた剣使いのフェキサは、使い勝手のよい万能キャラクタ。攻撃参加はもちろん、スピードが速いため、薬草などのアイテムを使って味方の支援に回ることも可能。「虫殺し」「トカゲ殺し」といった特定の種族に効果的な攻撃スキルも持ち、タイミングよく使うと、絶大な効果が期待できる。

クライフォンは、体力、攻撃力、命中率がまんべんなく高く、支援系や全体攻撃系のスキルも持っている。ただしSPの値が低いため、スキルの使いすぎは禁物。スピードが若干遅く、攻撃のタイミングも遅いため、常に戦闘の流れの一歩先を予測する必要がある。

グラストは、年を取って一線を退いたとはいえ、能力は他の仲間の倍以上。圧倒的な攻撃力を誇り、「荒鷲の刃」とも呼ばれる属性剣「ライナハルト」を駆使して、凶暴なモンスターを蹴散らしてゆく。スキルも攻撃力が高いものから、全体攻撃ができるものまでさまざま。いざというときに非常に頼りになる。

筆者としては、最初はRookieやEasyでプレイし、多数の伏線が散りばめられた秀逸でミステリアスなストーリーを堪能してほしいと思う。そしてクリア後に、Hardでもう一度プレイし、今度は戦略性の高いシビアなバトルを存分に堪能していただきたい。

サブタイトルで「first fatal contact」と銘打たれている通り、「Endless Struggle」というゲームの第一章にあたる。現在は続編の「Endless Struggle〜second legendary soldier〜」を制作中とのこと。まずは本作からプレイして、壮大なファンタジーストーリーの序章を楽しんでほしい。

開発中に苦労した点
自分が未熟であるためなのですが、スクリプトをいじるとゲームが落ちることが多々ありました。ツクールの標準の戦闘やシステムでは少々おもしろみがないと思っていたので、素材と合わせて手を加えてみたのですが、骨の折れる仕事でした^^;。

また、制作してゆく上でどうしても必要な素材が出てきました。ツクールXPは中世（？）ファンタジーのような素材は多くサンプルで含まれているのですが、私が表現したい“若干近代、近未来的な”ファンタジーといった作品を作るには適した素材が見つかりませんでした。そのために多くの友人、先輩後輩方に素材を作っていただきました。それでも不足している分はネットで探し回りました。

テストプレイ担当の制作陣にプロジェクトファイルの手直しを加えていただきました。私の組み方が汚いので、修正の際には苦労なさったと思いますが、それでも快く作業を引き受けてくれた彼には頭が上がりません。

プレイヤーにお勧めしたいポイント
RPGをあまりプレイなされない方や、ジャンル的に苦手としている方でも、遊びやすい作品に仕上がっている……と自負しています^^;。

ただ作品としては、第一章、序章ということもあり、内容も短く、稚拙なストーリーや設定等が目立つかもしれません。また手伝ってくださった方々が頑張っているにもかかわらず、中心となっている私のレベルが低く、素材のよさも生かしきれていないでしょう。それでも、ダウンロードしてくださった方々に最後まで遊んでいただき、「楽しかった」「クリアしてエンディングまで到達できた」という感想を持っていただければ幸いです。その上で現在制作中の第二章を楽しみにしてくださったのなら、こんなに喜ばしいことはないです。

今後のバージョンアップ予定
フラグが立たず、進行に不都合な点が確認されていますので、そこを直したいと思います。そして次回作として第二章、本章前編となる「Endless-Struggle 〜second legendary soldier〜」を現在制作中です。完成した際には、そちらもぜひプレイヤーのみなさまに遊んでいただきたいと考えています。

最後に
改良前の「Endless Struggle 〜first fatal contact〜」が発表されてから3年が経ってしまいました（1年は大学受験のため制作活動不可）。ですが、それから何もしなかったのではなく、続編の制作、またそれを良作とするための何かしらのスキル、技術を身に付けてきたつもりです。それらを第二章で表現できるように頑張りたいというのが、いまの自分の目標です。