ソフトを開発しようと思った動機、背景
家計簿ソフトや会計ソフトを購入したのですが、不満でした。使いたかったのは残高シミュレーション機能だったのですが、オマケのような扱いで、月単位で1年先ぐらいまでしか見えません。そこで、日単位で何年も先まで見えるソフトを作ることにしました。ソフトのターゲット
自分の用途と照らし合わせて、2タイプのユーザを想定しています。
第一に、スーパーの底値とかレシートを気にしない独身のサラリーマンです。手軽に試算できるので、事前に“瞬間風速的な残高不足”を知ったり、貯金がだんだん貯まってゆく様子を見て微笑したりして、貯蓄に対するモチベーションの高まりを感じていただくことが狙いです。
第二に、取引件数が比較的少ない事業主です。売掛金の入金遅れによるインパクトのシミュレーションが狙いです。「入出金予定画面」で入金の遅延日数を入力し、資金繰りを日単位でシミュレートすることができます。
開発中に苦労した点
最も苦労したのは、4分割可能なスプレッドシートです。ほかにも自作のコントロールを使っていますが、特に手間がかかったのがこの部分です。家計簿/会計ソフトの多くはシートを分割して表示できないので、満足しています。
次に、構文解析と連携した日付の計算です。例えば「『<< 2 hol is sat(二つ前の休日が土曜日)』である日をどのように求めればよいか」というようなことを考えていて、ノートが落書きでいっぱいになりました。
自作コントロールならではの隠れた工夫もあります。「入出金予定画面」で「入金口座」や「出金口座」のコンボボックスをクリックすると、ポップアップメニューが表示されます。通常は選択肢がフラットに並んで表示されますが、実は、登録されている口座の数が30になると、選択肢が金融機関ごとに階層的に表示されます。しかし、口座数が30になることはたぶんないので、「ザクッとキャッシュフロー」に限っては無駄な工夫です。
ユーザにお勧めする使い方
ソフト名の通り、必要なときに大ざっぱに使っていただくのが一番だと思います。一方、「入出金予定画面」で階層の作り方を工夫すると、経費を細かく管理することもできます。例えば「電気代」「ガス代」を別々の項目として作成し、電気代で1枚のシート、ガス代で1枚のシートを使うようにすれば、それぞれの支払実績と支払予定をひと目で見ることができるようになります。
今後のバージョンアップ予定
「手軽に先々の数字を日単位で見る」というコンセプトを守りつつ、使いながら改善してゆきます。
(たなか たかひろ)