「超漢字検索」は、読みの難しい漢字や記号をさまざまな方法で検索し、コピー＆ペーストで利用できる文字検索ソフト。JIS第一水準～第四水準漢字やJIS補助漢字のほかに、人名・地名や古典文学などで使われる変体仮名、中国語簡体字/伝統字、韓国語、大漢和辞典（大修館書店刊）収録の漢字、iモード絵文字、点字などを検索することができる。

文字の検索は、漢字の読み、部首、部品、画数から検索できる。漢字の読みからの検索では、一般的なかな漢字変換同様に、読みを入力することで候補が表示される。部首を使った検索では、表示されるへんやつくりの一覧をクリックすることで、該当する文字の候補が呼び出される。また、へんやつくりの名前を入力した場合は、へんやつくりそのものを検索することも可能だ。

部品を使った検索では、（漢字を構成する）部品となる文字を入力することで、該当する候補を検索できる。例えば「口」（くち）と「鳥」で検索すると鷺、鶉、鵠、鳴といった文字がヒットする。へんやつくりの名前がわからなくても、文字を探すことが可能だ。

画数からの検索では、数字を入力して検索すると、その画数にマッチした部品を持つ文字がすべてヒットする。記号を付けて検索することで総画数を調べたり、画数がわからない場合に幅を持たせて調べたりすることもできる。

検索方法は複数を組み合わせて使うことも可能。読みと画数と部品を入力して探すといった使い方ができる。同じ部品を複数含む場合、部品の個数をかけ算で指定することもできる。

検索した文字を利用するには、文字をマウスで選択し、コンテキスト（右クリック）メニューからコピーを実行して、クリップボード経由で他のアプリケーションへ貼り付ければよい。通常の文字としてコピーできるほか、画像データとしてコピーすることも可能だ。

文字コード一覧からの検索や記号の検索も可能。さらに、検索した文字をダブルクリックすることで、文字の種類（第一水準/第二水準や中国語、韓国語などの分類）、関連字、異体字、通用字などの分類のほか、文字コードや読み方などもわかるようになっている。

なかでも便利なのが、部品による検索。ひとつの漢字をいくつかの部品に分けて考え、各部品の文字を入力することで、部首名を知らなくても簡単に検索ができる。しかも部品の指定方法が柔軟で、漢字以外での指定も可能なところがすごい。例えば「宏」という字はカタカナの「ウ」「ナ」「ム」の組み合わせで検索することができるし、カタカナの「メ」と「鳥」で鴎、カタカナの「ロ」×3と「鳥」なら旧字体の「かもめ」といった形で、文字をイメージとしてとらえることで簡単に探せるようになっている。

このようにとても便利な「超漢字検索」だが、検索した文字を利用するにはパソコン環境の方が重要だ。難しい漢字を簡単に検索できても、ペーストする側のアプリケーションがShift JISしか対応していなければ利用が制限されるし、そもそもWindows自体がサポートしていない文字もあるからだ（「超漢字検索」はWindowsとは別の独自のフォントを使用している）。

とはいえ、これだけ多くの文字を検索できること、文字情報で異字体や中国・台湾などの文字と比較できることなど、「超漢字検索」自体の魅力も捨てがたいものがある。語学・文学の研究者や漢字マニアな人なら、持っておいて損はないソフトだろう。

開発中に苦労した点
文字検索機能の開発にあたっては、その操作効率を高めるため、被験者12名を対象とした文字入力の実験を行いました。実験では、知らない漢字を検索して入力する際のユーザの操作を観察・記録してその行動を解析し、効率の高い文字検索方法について検討しました。この実験により例えば、漢字の部品や異体字をキーとした検索の効率が高いのに対して、画数による検索は効率が悪く、補助的な利用に留まることがわかりました。こうした成果とノウハウが本製品に反映されています。

ユーザにお勧めする使い方
「超漢字検索」を利用するために、難しい漢字の知識は必要ありません。検索操作の基本は直感です。探したい漢字の部首や構成部品のほかにも、「あの漢字に似ている」「あの漢字とこの部分が同じ」といった情報をもとに検索が可能ですので、まずは思いつくまま検索してみることをお勧めします。特に、人名用の異体字や旧字体の文字を探すときは、漢字の部品や読みで検索するよりも、よく使う漢字の異体字として検索するのが効率的です。例えば「愼」の場合は、「慎」の異体字として入力できます。

今後のバージョンアップ予定
本製品は、Windowsが書体（フォント）を持っていない文字（大漢和辞典収録文字など）であっても、文字を画像イメージとしてWindowsアプリケーションに貼り付けることができます。しかし、やはり画像イメージではなく、文字コードにより貼り込める方が便利な場合があります。そこで今後、Windowsで利用できる多文字フォントを用意することにより、さらに多くの文字が文字コードとしてWindowsアプリケーションに入力できるよう改良していきたいと考えています。