「GeniusMessenger」は、TCP/IP接続されたLAN環境内の相手にメッセージを送受信できるインスタントメッセンジャー。LANだけでなく、メールサーバを介してメッセージをやりとりすることも可能。メッセージの形式にはプレーンテキストのほか、リッチテキストとHTMLも利用できる。

メッセージの受信は簡単。サーバとして動作する「GMessageSrv.exe」を起動し、連絡を取りたい相手に自分のIPアドレスを教えて、メッセージが送られて来るのを待つだけでよい（メールサーバを経由して受信する場合は、POPサーバの設定が必要）。メッセージが到着すると、愛らしい動きでキャラが現れ、吹き出しで通知してくれる。POPサーバの設定をしている場合は、メールの着信を通知させることも可能だ。

メッセージの送信は、タスクトレイアイコンのダブルクリックで開くパネルから行う。はじめて送る相手の場合は、まず送付先のアドレスを登録する必要がある。ひとつの送信先には、プライマリ/セカンダリの二つのアドレス（ホスト名またはIPアドレス）に加え、メールアドレスを登録することができる。どのアドレス宛に送るかは送信のたびに選択できる。

アドレスを登録したら、あとはメッセージを書き込んで「送信」ボタンをクリックすれば送信が行われる。メッセージはテキスト、リッチテキスト、HTMLの3種類の形式を利用でき、合計1MBまでであれば複数のファイルを添付することもできる。あらかじめアスキーアート（AA）やテンプレートを登録しておき、すばやく入力することもできる。送信時のウィンドウサイズそのままの大きさで相手に送信されるため、AAが崩れる心配はない。メッセージを届けるキャラを指定することもできる。

送受信したメッセージは、「履歴」パネルに最大100件まで登録される。履歴パネルでは、時系列に沿ってメッセージを参照できる。

メッセージにプレーンテキストだけでなく、リッチテキストやHTMLを使用して表現力を高めることができるのもうれしい。アスキーアートを編集・登録する機能も備えており、プレーンテキストで凝ったメッセージを作成することもできる。

メッセージを通知してくれるキャラは、デザインも名前も非常にユニークだ。若干クセはあるが、慣れるとなかなか味わい深いキャラばかり。標準では7種類のキャラが登録されており、好みのものを選んで使用できる。

ひとつ個人的に残念だったのは、せっかくメールの着信通知機能があり、内容を表示できるにもかかわらず、表示できるのが最新の1通だけという点。これは本来の機能ではなくオマケのようなものだとは思うが、できればついでに全部のメールを確認できるようになると便利だと感じた。

開発中に苦労した点
.NETにはマネージドなC++といえる「C++/CLI」というものがあるというのを知り、この新しい言語に興味を覚え、C++/CLIという言語で開発をはじめました。当時はほとんど情報もなかったため、開発は手探り状態でした。また、仕事も忙しく開発時間が取れないため、ほとんどを通勤電車の中で作りました。隣のおじさんに「ひじが当たってるんだけど……」と怒られたり、網棚から真横の席に物が落ちてきてノートパソコンが潰される寸前だったりと大変でした。

ユーザにお勧めする使い方
仕事中に内緒話をするときに使用しています。いやなことがあったときでも、ヘンなキャラたちがメッセージを運んでくれるので、怒りもおさまり、和みます。

吹き出しのサイズを変えられたり、複数同時に送れたり、リッチテキストだとExcelも貼り付けられたりするので、ドキュメントレビューやコーディングレビューにも使用できます。また、メールを媒介にできるので、物理的に離れた人とLAN内の人とみんなで同時にやり取りすることもできます。メールの着信通知としても使えます。

今後のバージョンアップ予定
キャラクタたちの動きを充実させたいです。読まずに待っていると寝ちゃったり、ぶらぶらしたりといった、もっと癒される動きなどを付け加えたいです。キャラのSDKも公開したいですし、キャラクタを送ってくださればそれをキャラクタにすることもできます（要相談）。また、メッセンジャーの主人公、冤罪人生の宮地勘太郎くんを世に出してあげたいと思っています。

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