「スタートアップチェッカー」はその名の通り、スタートアップに登録されたアプリケーションの詳細を調べられるソフト。スタートアップだけでなく、動作中のプロセスやサービスを調査し、設定を変更することもできる。危険なプロセスの正体を検索するのに便利な機能も備える。

スタートアップのチェックでは、スタートアップおよびレジストリの自動起動項目に登録されたプログラムが対象となる。リスト表示された項目のうちのひとつを選択すると、当該プログラムの詳細な情報がウィンドウ下部に表示される仕組み。「登録先フォルダ/レジストリ」「登録名」「ファイル名」など、6項目が表示される。登録名やファイル名をキーワードに検索を行うことも可能。Google、Symantec、Trend Microのいずれかを検索先サイトに指定して、検索できる。

さらに、チェックの結果、ユーザが「必要ない」と判断したスタートアップ項目を無効化することも可能。無効化した項目の一覧を確認したり、削除したりする機能も備えている。

プロセスのチェックでは、現在動作しているプロセスやアプリケーションを確認し、必要に応じて強制終了させることができる。プロセスIDを調べたり、プロセスの優先度を指定したりすることも可能だ（それ以外の機能は、基本的に「スタートアップ」と同等のものとなっている）。

サービスのチェックでは、「開始しているサービス」「一時停止しているサービス」「停止しているサービス」を確認できる。サービスを停止/一時停止したり、再開したりすることも可能。Windows標準のサービスでは、通常の説明よりもさらに詳細な「サービスの説明」も表示される。サービス同士の依存関係を調べることもできる。

メイン画面に表示される情報だけで正体がわからない場合は、ワンタッチで情報を検索できるのも便利。ときには、ウイルスやスパイウェアの類が動作しているのを発見できることもあるだろう。検索先にはしっかりと、ウイルス駆除ソフトで有名な会社のサイトが登録されている。

スタートアップ、サービス、プロセスのそれぞれで機能や操作が統一されているのも便利で使いやすい。Windowsマシンの動作が重くなった原因を究明するのに非常に威力を発揮するだろう。

開発中に苦労した点
作者自身ヘルプを読まない性質なので、ヘルプなしで直感的な操作ができるように心がけました。また、「スタートアップチェッカー」で変更したものを「スタートアップチェッカー」がなくても元に戻せるように、既存のソフトと互換性を持たせるため、それらがレジストリをどのように使用しているかを解析する必要がありました。

ユーザにお勧めする使い方
「スタートアップチェッカー」を使用して設定を変更すること自体は頻繁に行わないと思いますが、付随している「スタートアップウォッチャー」はぜひ常駐しておいてください。

昨今話題になっている個人情報流出系ウイルスの大半は、利用者に気づかれないようにレジストリのスタートアップ項目に自身を登録します。「ウォッチャー」はスタートアップに何らかのソフトが登録された際に警告ダイアログを表示しますので、「ウォッチャー」を常駐させておけば、ウイルスの感染そのものは防げなくても、感染したことに気づきやすくなりますし、登録されたウイルスの自動起動を停止させるだけでも被害の拡大を防げます。ウイルスに感染した場合はもちろん、本格的な対策が別途必要になりますが……。

今後のバージョンアップ予定
現在、開発環境をDelphiからVisual C＃(.NET)に移して次期版を開発中です。まだ「スタートアップチェッカー」の基本機能部分の形が見えてきた段階ですので、みなさんのお手元に届くまでには、もうしばらくかかると思います。今回は「スタートアップチェッカー」の基本機能（スタートアップ、プロセス、サービス）に、もうひとつ機能を加えていますが、それが何かはまだ秘密です。