「一太郎ビューア」は、ワープロソフト「一太郎」がインストールされていないパソコンでも、文書の内容を閲覧できるようにしてくれるソフト。ワープロ文書以外にも電子署名付き文書の内容を表示したり、XMLテンプレートに文字を入力したりすることも可能。拡大・縮小印刷など、充実した印刷機能も利用できる。対応する形式は「一太郎」Ver.2以降の文書のほか、「一太郎」の特殊な文書（JTDC/JTTC/JTSD/JTDX）、Microsoft Word（DOC）、リッチテキスト、テキスト。

用意された表示モードは「簡易表示」「ページ表示」「スライド表示」の3種類。「ページ表示」は、余白などのレイアウトを再現するモード。「スライド表示」では、文書の1ページを1枚のスライドに見立ててフルスクリーン表示する。スライドの切り替えは手動/自動いずれでも行える。マーカー機能を使ってスライド上にマーキングすることも可能だ。

「簡易表示」「ページ表示」では、文書の先頭/末尾への移動や指定ページへの移動が可能。あいまい検索や（タブ/改行などの）制御文字を用いた文字列検索を行うこともできる。検索の結果、「見つかった文字列をすべて選択状態にする」オプションもある。

文書の表示倍率は、設定により変更できる。ボタンクリックで段階的に変更できるほか、プルダウンメニューで倍率を選択したり、任意の倍率を入力したり、ページ幅や文書の長さに合わせて倍率を変えたりといったことができる。

充実した印刷機能も特徴のひとつ。通常印刷や拡大・縮小印刷のほかにも、

• 複数の用紙にわたって拡大する「ポスター」
• 複数のページを1枚の用紙に印刷する「レイアウト」
• ページ指定よりひと回り大きな用紙を使って印刷位置のマークも印刷する「トンボ」

画面のデザイン変更機能も備えている。Windows標準のデザインのほか、「アイススプラッシュ」「トロピカルビーチ」といった専用のテンプレートが10種類用意されており、ツールバーやスクロールバーなども含めたデザインをまとめて切り替えられる。

Windowsアクセサリのワードパッドを使えばMicrosoft Wordの文書を開くことができるが、もう一方の雄である「一太郎」については残念ながら対応していない。かといって閲覧用として各パソコンに「一太郎」を導入するのはコストパフォーマンスに問題がある。

そんなときに役立つのが「一太郎ビューア」というわけだが、では「一太郎」を導入しているユーザだけのものかというと、意外にそうでもない。一番の魅力はいうまでもなく印刷機能で、複数ページを1枚の用紙に縮刷したり、逆に1ページを数枚に分けてプリントしたりできるなど、専用の印刷ユーティリティ並みの使い方ができる。ディスプレイ上では、スライド表示や複数ページ表示などの機能を活かして“ざっと目を通す”といった使い方も可能だ。文書作成はもっぱらWordで「一太郎」は使ったことがないというオフィスでも、きっと役に立ってくれることだろう。

文書の表示・印刷については、市販の「一太郎」と同様の高度な機能を持っており、マルチシート^（*1）やスライドなどの表示機能や、拡大・縮小印刷やレイアウト印刷などの印刷機能も実行できます。

また、XMLテンプレート^（*2）文書につきましては、表示だけではなく、穴埋めとなっている入力欄への書き込みや、データの保存、メール送信機能なども「一太郎ビューア」上で実行できます。申請書やアンケートなどでXMLテンプレートを作成し、「一太郎ビューア」を利用して入力していただく、という使い方も提案します。

「一太郎」がないので拡張子JTDのファイルが読めない、とお困りの方には、ぜひとも「一太郎ビューア」を使っていただきたいと思います。そして、「一太郎」で文書を作ったが、見てもらいたい人が一太郎を持っているかどうかわからない、といった場合も、「一太郎ビューア」をお勧めください。

（*1）マルチシートに設定された一太郎以外の文書は、その文書に関連付けられたアプリケーションで起動します。
（*2）弊社製品の「XMLテンプレートクリエーター」で作成した文書を「XMLテンプレート」と呼びます。拡張子はJTDXとなります。