「emiru2」は、軽快に動作するシンプルなインタフェースの画像ビューア。画像の読み込みはJPEG/PNGに対応。Susie Plug-inにも対応し、導入することで対応形式を増やせる。「EMIRU -エミル-」の後継にあたり、機能の追加・変更や画像処理速度の高速化などが図られている。

ビューアウィンドウはフレームのみで、メニューやツールバーを持たない。画像の読み込みは、ファイルのドラッグ＆ドロップか、コンテキスト（右クリック）メニューから行う。いったん画像表示が行われたあとは、キー操作で同じフォルダ内の前後の画像に切り替えられる。表示倍率の変更（段階的に拡大/縮小する）も可能だ。

表示された画像はBMP/JPEG形式で保存できる。JPEG保存では画質の指定も可能で、【←】/【→】キーで少しずつ画質を調整しながらプレビューできる。プログレッシブJPEGでの保存も可能だ。

簡易画像加工機能も搭載している。画像のリサイズ、90度/180度回転、水平/垂直の反転、グレイスケール化、ソラリゼーション、ガンマ補正などが可能。XOR処理やRGBチャンネルの入れ替えといった可逆マスク、ぼかし/シャープ、エッジ検出などのフィルタ処理も行える。

多重起動で複数の画像を一度に表示できる点はなかなか便利。また、JPEG形式で保存する前に指定した画質でプレビューできるのはおもしろい。保存用にプレビュー画面があるというのではなく、ビューアそのものでプレビューしてしまえるのがちょっと新鮮だ。試しにBMPやPNG形式の画像を表示してJPEGでプレビューしてみたが、当然のことながらちゃんとプレビューできる。その画質で保存したJPEG画像を見ているわけではないので、プレビューモードを解除すればちゃんと元に戻る。

JPEG圧縮率を指定するといってもパラメータ指定だけで、どの程度劣化するかわからないソフトが多い中で、縮小サイズではなく当倍の画像で確認できるのは、これこそ本当の意味でのプレビューといってよい。

そのほか、リサイズや範囲選択しての切り抜きなど、ちょっとした加工用ツールとしても便利に使えそうだ。

開発中に苦労した点
Windows Vistaに対応するにあたっては開発環境Delphiに固有の問題がいくつかあり、それを回避するのが多少手間でした。ただ、その甲斐あってファイルを開くときのダイアログなどはVistaの恩恵に与ることができ、使いやすくなっています。

ユーザにお勧めする使い方
アプリケーション自体が簡単なもので軽快に動作しますので、画像ファイルの内容を確認するためだけのシンプルなビューアとして、ファイルをドロップ→表示→終了するだけの使い方が適しているかなと思っています。また画像を回転、トリミングしてJPEGで画質を確認しながら保存するといった、いずれにしろ「サッと起動して処理してすぐ終了する」ようなツールとして開発しています。

今後のバージョンアップ予定
印刷機能やPNG形式での保存、可逆マスクのFLマスク、CPマスク、Q0マスクなど、旧バージョンにあったのに現行のものにない機能がまだいくつかありますので、とりあえずはそれらの機能を再び搭載したいと思っています。