「めもめも3」は、基本的な文書作成機能に加え、豊富な機能が用意されたテキストエディタ。第1面から第10面までの好きな「面」を指定して編集を行うことが可能で、最大10ファイルの文書を同時に編集できる。対応する文字コードは、Shift JIS/JIS/UTF-7/UTF-8/UTF-16/EUC。文字コードを指定してファイルを読み込んだり、保存したりできるほか、編集中のファイルを指定の文字コードで読み込み直すこともできる。バイナリモードにも対応し、16進数のダンプリストによる閲覧・編集も行える。

テキストエディタに必要とされる、切り取り/コピー/貼り付け、選択、Undoなどの基本的な機能はひと通り揃う。さらに、最大1,000履歴まで元に戻せる「拡張_元に戻す」、現在のカーソル位置から編集内容の「先頭」「末尾」「指定位置」のいずれかを指定して選択できる「拡張_選択」といった機能も用意されている。

選択した文字列の左端（右端）からn文字を対象に切り取りやコピーを行うことも可能（拡張_切り取り、拡張_コピー）。例えば、4行分を範囲指定した状態で「拡張_切り取り」を3文字で指定すると、選択範囲の始点から3文字×4行の文字列が切り取られる。「拡張_貼り付け」では、カーソルがある行の左端（右端）にクリップボードの文字列を挿入できる。

テキスト比較機能では、異なる二つの面に表示されたテキストの内容を行単位で比較し、結果を別の面に表示する。例えば、第1面の内容と第2面の内容を比較した結果が第3面に表示されるといった具合。そのほか、指定された文字列を含む行をすべて取り出す「抽出」機能もある（指定文字列を含まない行だけを抽出することも可能）。

簡易計算機能もある。編集エリアに書かれた数式を計算して、結果をクリップボードにコピーしてくれる。演算子は加減乗除のほか、「＾（べき乗）」を利用できる。計算は、演算子の種類に関係なく式の左から順番に処理される。

特殊な機能として「カーソル行に書かれているファイルを開く」がある。例えば、カーソル行に「計算表.xls」と書かれている場合、関連付けされたアプリケーションで「計算表.xls」が開く。「C:\」であれば、エクスプローラが起動してCドライブが開く仕組み。

検索/置換といったエディタとしての基本機能をしっかりと固めた上で、拡張コマンドによる便利な編集機能や、文字列の変換/整形/挿入/除去といった文字列操作機能を備えている。Grep検索や関連付け起動機能、簡易計算機能など、ユーザのさまざまなニーズに応える機能も揃っている点はうれしい。ただ、複数のファイルを同時に編集する際、「ウィンドウ」コマンドで一つひとつ「面」を切り替えて文書を読み込まなければならない点は不便。今後の期待を込めて改善をお願いしたいところだ。

とはいえ、「めもめも3」は使い込むほどに味が出るエディタだと感じた。誰にでも安心してお勧めできる。

開発中に苦労した点
はじめて使用する言語でしたので、機能実現のための調査に時間がかかりました。

ユーザにお勧めする使い方
メモ帳にしては、文字列操作に関する機能は充実していると思います。あとは日常頻繁に使用するファイル（またはフォルダ）のパスを記載しておいて、「関連付け起動」や「めもめも起動」によるランチャ的な使い方も便利ではないでしょうか。

今後のバージョンアップ予定
とりあえずは、暗号化やGrep検索などの処理速度改善と、ヘルプの内容の充実を考えています。なお、バグ報告および要望は随時受け付けていますので、気軽にメールいただければ幸いです。