初期状態ではフォルダツリーが表示されていない上に、ツールバーやメインメニューにはファイルのコピーや削除といったコマンドが見当たらないので、最初はリスト表示に徹した専用ソフトかと勘違いしそうになったほど。だがもちろん、ドラッグ&ドロップやコンテキスト(右クリック)メニューからの操作も可能だ。特色のひとつである「ファイル一覧の保存と印刷」は、Excelを経由するためどうしてもワンクッション待たされる感はあるものの、あとあとの加工が容易であることを考えればそう気にすることもないだろう。
サブフォルダの内容まで表示できるのも便利だが、ファイル数が増えるほど当然のことながらすべての表示が終わるまでには時間がかかる。また、文字列指定で検索(フィルタリング)を行うとサブフォルダ以下の全階層を表示するようなので、実行する際にはフォルダの選択に注意しよう。できれば、フィルタリングと階層の制限を組み合わせられるようになってほしいところだ。
項目名によるグループ化は、筆者が最も気に入った機能だ。グループ化した項目はフォルダツリーのように折りたたみや展開が可能で、特定の拡張子やファイル名を持つファイルだけを表示させて、ほかは隠してしまえる。ファイル名分割と組み合わせて使えば「特定の文字ではじまるファイルだけをグループ化する」といった、かなりの高機能ファイラにもちょっとマネのできそうにない操作がいとも簡単にできてしまうところがすごい。
「ファイル名分割」という言葉の意味するものが最初はちょっとわかりにくいかもしれないが、そこさえ理解してしまえば、あとの操作は直感的。オートフィルタに似た操作で条件を指定できるのもわかりやすい。
ファイルリストそのものをデータとして扱わなければならない人の強力なパートナーになってくれそうだ。
(福住 護)