「Drawer」は、ランチャ機能とファイラ機能をあわせ持ったデスクトップの“引き出し”ソフト。普段は隠れているが、マウスポインタを画面左端に移動させると出現し、アプリケーションの起動やファイル操作を行うことができる。操作画面には、縦長のタブが上下に二つ並ぶ。上段がランチャ、下段が簡易ファイラで、タブにマウスポインタを重ねると、それぞれのメニューウィンドウがスライド表示する。

ランチャは、アプリケーションやファイルなどのアイテムを登録しておき、クリックひとつですばやく呼び出せるようにするもの。アイテムの登録はドラッグ＆ドロップに対応。アイテムの並べ替えもドラッグで行える。アイテムアイコンへのファイルのドラッグ＆ドロップで、そのファイルを登録アイテムで開くことも可能だ。

簡易ファイラでは、ファイルの切り取り、コピー、削除、貼り付けや「新規フォルダの作成」などを行える。「Drawer」の起動時は、あらかじめ設定した初期フォルダが最初に表示されるが、画面余白部分のダブルクリックや画面下部の「上のフォルダへ」ボタンから、上位フォルダへ移動することもできる（下位のフォルダへの移動は、移動したいフォルダをダブルクリックすればよい）。

特徴のひとつが、Windowsで関連付けされていないアプリケーションからもファイルを開けること。あらかじめアプリケーションを登録しておけば、ファイルのコンテキスト（右クリック）メニューで表示される「開く」コマンドから、当該ファイルを登録アプリケーションで開けるようになる。例えば、通常はHTMLファイルをブラウザで開き、「開く」メニューからはテキストエディタで開くといった操作が可能になる。

ファイラの下部には「上のフォルダへ」のほか、「更新」「マイ コンピュータ」「ごみ箱」などのボタンが配置されている。「ごみ箱」を右クリックすると「ごみ箱を空にする」コマンドを利用できる。

ランチャ、ファイラとも、機能は非常にシンプルだ。「ちょっとしたことをすばやく簡単にやってしまおう」というのが、おそらくこのソフトのコンセプトだろうと思われるので、これはこれで正解だろう。ファイラの「開く」メニューからプログラムを選択して開くこともできるので、実用上は十分な機能を持っているといってよい。

ひとつ要望をいえば、「開く」メニューにはプログラムのフルパス名が表示されるのだが、これは視認性があまりよいとはいえない。パスと同時にプログラム名（表示名）を設定できるようになると、一層使いやすくなる気がする。

そこで今回、デスクトップのように簡単なファイル操作が可能で、デスクトップよりも呼び出しやすいというコンセプトのもとこのソフトを作りました。デスクトップに対する「引き出し」として自分にあったスタイルで自由に使っていただければ光栄です。

また、今回OLEドラッグ＆ドロップに対応できなかったことが唯一心残りでした。次バージョンでは対応できるよう努力したいです。