「住所ぴたりん」は、収録件数豊富な辞書を備え、住所入力の大部分をマウス操作だけで行える住所録ソフト。ほとんどキーボードを使うことなく住所を入力することが可能で、都道府県名→市町村→小字→丁目といった順に、地名を探しながら入力できる（京都市内の情報は「通り筋」名からも検索できる）。さらに郵便番号、地名の漢字、地名の読み、大口事業所名などから検索・入力することも可能だ。

住所録には、よく使われる項目があらかじめ設定済み。「会社名」「役職」「会社住所」「自宅住所」など、約30項目が用意されている。もちろん、項目の変更/追加/削除は自由に行うことが可能。用途に応じて、独自の住所録を作成できる。各項目には、データタイプ（文字型/数字型）、省略値、重複入力チェック、範囲チェック、フリガナの入力先などを設定できるほか、登録済みの値からの選択入力を可能にする「ドロップダウンリスト」も作成できる。

任意の条件を設定して、データ抽出を行うことも可能。AND/OR/NOTの論理演算子を利用して、複数の条件を組み合わせて抽出できる。抽出条件を登録しておくことも可能で、登録した条件は、必要に応じてドロップダウンリストから選択できるようになる。抽出した宛名をもとにラベルを印刷したり、別の住所録に保存したりといったことも可能だ。

印刷は、はがき、封筒、タックシールに対応する。はがきや封筒などのレイアウトを見ながら、印刷する項目の位置やサイズなどを細かく設定できる。

住所録データはCSV形式で保存される。Jアドレス（.JAD）ファイル形式でのインポート/エクスポートも可能。データのバックアップファイル作成機能も備えている。

データの抽出機能に優れ、登録する項目の追加・削除・変更が自由にできるため、適切な項目を設定することでかなり高度で込み入った条件検索が可能になる。項目の設定も簡単でわかりやすい。印象としては、単なる住所録ソフトというよりも、むしろ「誰にでも簡単に使えて設計のできる住所専用のデータベースソフト」といった感じだろうか。個人用途はもちろん、業務で使用する顧客管理用のソフトとしても便利そうだ。

もちろん、最大の売りである住所入力機能の使いやすさはピカ一だ。住所の一部の「読み」や「漢字」からデータを検索して入力することもでき、その過程もビジュアル面での工夫がなされており、わかりやすい。住所として次に可能性のある候補しか表示されないため、無駄なく効率よく住所を検索できるのも使いやすい。住所検索機能をExcel上から利用できるモジュールが同梱されているのもうれしい。

住所録も宛名印刷も、自由に項目やレイアウトを設定できるようになっています。あまりに自由度が高いので、パソコン初心者のユーザさまには戸惑う方もいらっしゃいますが、問い合わせのメールにはできるだけ丁寧に回答するように心がけています。

ソフトの公開をはじめてから気がついたのは、法人ユーザさまが意外と多いということです。企業の総務部、経理部、営業部、学校、病院等で顧客・会員の管理に使われているようです。変わったところではお寺の檀家管理にも使われています。

バージョンアップは年に数回行っています。平成の大合併で住所表記が大幅に変化した時期は地名データのメンテナンスが大変でした。

今後も少しずつ改良して、さらに使いやすいソフトにしていきたいと思っています。