「TextArtist」は、文字を使って絵を表現する「テキストアート」を簡単に作成できるソフト。JPEG/BMP形式の画像ファイルを読み込める。作成方法は非常に簡単。画像を読み込むだけで自動的にテキストアートの作成処理が行われる。

テキストアートに使われる文字種は、デフォルトの「パターンA」「パターンB」と「カスタム」の3種類のパターン。「パターンA」は、漢字を中心に使うことで濃淡の強いタッチを出す。「パターンB」では、英数文字や記号が多用され、軽いタッチに仕上がる。

「カスタム」は、使用する文字をユーザが任意に指定できるもの。淡い色から濃い色まで、九つの文字を指定することが可能で、「特定の文字だけでテキストアートを作りたい」といったニーズに応える。カスタムで設定した文字は「カスタム文字セット用ファイル（.MSET）」として保存し、あとで読み込んで再利用できる。

テキストアートに変換したデータはテキスト（.TXT）形式で保存される。変換後にメモ帳やテキストエディタを使って文字単位で細かく編集することも可能だ。

テキストアート変換機能のほか、画像レタッチ機能も用意されている。用意された機能は、大きく分けて「フィルタ」「分割」「色調」の3種類。「フィルタ」は元画像に特殊効果をプラスするもので、円形モザイク、矩形モザイク、凹凸、材質など、7種類から選択できる。適用するフィルタに合わせて、サイズやパターン、強度、色合いなどを調整することが可能だ。

「分割」は、元画像を分けてランダムに並べる機能。

• 大分割：画像を鏡写しで上下/左右/上下左右に分ける
• 16分割：画像を均等分割して、単純に並べたり万華鏡のように表示したりする
• ランダム配置：元画像のサムネイルを、写真を散らかしたように表示

「色調」では、画像に色を付けたり、画像全体の明暗調整を行ったりできる。色付けでは、選択色の透過率を設定することも可能。色を塗る範囲は「全体」「画像中央を起点にした楕円」から選べる。

「TextArtist」は、画像の濃淡を文字に変換してテキストアートを作ってくれるソフト。文字のフォントをドットの集まりと見なし、その濃淡で作られた絵を、みなさんも見たことがあると思う。

達人ともなれば、ちょっとの文字でそれっぽく見えるものを作り出せるのだろうが、我々素人にはいささか難しい。しかし「TextArtist」を使えば、誰でも簡単に文字だけで画像を表現することができる。レタッチ機能も付いているので、変換結果がピンとこないときでも、きれいに変換できるように修正できる。結果はモノクロで、しかも元絵より大きくなるので、シンプルに主題が表現できていて、エッジがはっきりしている画像を選ぶのがコツだろうか。

手元の画像を変換してみるだけでも楽しいので、一度実際に試していただきたい。

プログラミングをやっている方ならこれくらいのことは思いつくでしょうし、その方法もそんなに難しくはありません。制作途中でわかったのですが、この手のソフトは数人の方が作っておられるようなので、何とか個性を出さなければと考えたのが「カスタム文字セット」です。「カスタム文字セット」は自由に文字をセットできるので、名前や地名など特定の文字列を含んだテキストアートを作ることも可能になります（一字一字がどの位置にくるかは画像の濃淡まかせですが）。

また、文字だけではなく画像を小さなタイル状に分割して表現するなどのレタッチ機能もつけていますので、ほかの文字絵作成ソフトとは差別化されているのではないかと密かに悦に入り、ほくそ笑んでおります。

テキストアートはメモ帳などのテキストエディタで再編集できますので、こっそりと自分の署名を忍ばせておくという「隠れ芸」も可能です。