「Macで宛名書き」は、リスト形式による宛名データの管理機能と、はがき・封筒・ラベル用紙への宛名印刷機能を備えたソフト。住所リストを並べ替えたり、印刷したりすることも可能。「FileMaker Pro」で作成され、はじめてでも直感的に使うことができる。

使い方は簡単。操作の基本的な流れは、

1. 自分（差出人）の住所データを登録
2. 「データ入力用画面」から宛先の住所データを登録
3. 宛名データの一覧リストから印刷対象を選択
4. 用紙と印刷方法を指定して印刷実行

カード型レイアウトの「データ入力用画面」では、ひとり分のデータをまとめて入力する。登録できるデータは、郵便番号/住所、氏名（連名）、会社名/役職、電話/FAX番号、e-Mailアドレス、メモの各項目。敬称は「様」「御中」のいずれかを指定できる。一部の項目では自動入力機能を利用できる。最新の郵便番号辞書を搭載し、郵便番号を入力すると、番地の前までの住所を自動的に入力してくれる。漢字を自動判別して、ルビを自動入力する機能もある。入力画面は、データのブラウズ画面も兼ねており、前/後/先頭/末尾データへの移動や、各項目を条件とした検索を行える。

宛名を一覧でリスト表示することもできる。リストでは、郵便番号/住所、氏名/連名、電話番号を閲覧することが可能。ふりがな行による絞り込み、ふりがなや郵便番号による並べ替えは、ボタンひとつで実行できる。

印刷する宛名データの指定は「印刷対象者の絞込み」画面で行う。宛名データをあらかじめ「グループ」化し、グループ単位でまとめて印刷することが可能。グループは三つまで設定でき、ひとつのデータを複数のグループに所属させることもできる。もちろん、選択した1データだけを印刷することも可能だ。選択データ/非選択データの入れ替えや、印刷済みデータの除外も行える。

用紙は「官製はがき」「年賀はがき」「封筒（長形40号/長形4号/長形3号など）」「宛名シール（110×80mm）」「市販のラベル用紙（2種類）」に対応。印刷方式は「宛名」「宛名＋差出人」のいずれかを指定できる（ラベル用紙では宛名のみ）。はがき印刷では「縦書き」「横書き」の選択も可能だ。

フォントは、登録されている「ヒラギノPro」書体の明朝系、ゴシック系（丸ゴ/角ゴ）など、計5種類から選べる。プレビュー機能を備えており、宛名や差出人名の文字位置を確認できる。

そのほか、住所データのバックアップ/リストア、データの入力画面/一覧画面の印刷、データの読み込み/書き出しといった機能を備えている。データの読み込みでは、FileMaker Pro/タブ区切り/コンマ区切り/SYLK/Excelなど、10種類の形式に対応。書き出しでは読み込み可能な形式に加え、HTML表形式ファイルへの保存も可能だ。

画面レイアウトは、データ入力/ブラウズ用の「カード」、データ一覧/対象者絞込用の「リスト」、さらに印刷設定の画面と、作業スペースが同一サイズのウィンドウ内に収まるように工夫されている。ウィンドウ上には、各作業のタブが手順に沿って配置されている点もわかりやすい。ドキュメントやマニュアルは特に用意されていないが、はじめて使うときでも、スムーズに操作できると思う。

はがき印刷などで選択データのみの印刷をする際、何度か「選択→印刷」を繰り返すうちに、「いま、どれが対象になっているのか」混乱してしまうこともありがち。だが「Macで宛名書き」の場合、常に「今回印刷するデータ」を画面で確認できる（印刷対象のデータだけをリストに残せる）ため、間違いが起きにくい。

グループ分類よる印刷データ選択も、ユニークなやり方だ（重複グループへの登録ができるので「分類」というより「属性設定」に近い）。例えば、グループNO.1を「会社関係」、NO.2を「女性」と決めておき、転勤のあいさつ状はNO.1で、女性向けの情報はNO.2で送る（もちろんひとりの人が両方の送付対象となる場合もある）といった使い方が考えられる。ただ、できることなら、グループ名を付ける機能があれば、より使いやすかったと思う。

印刷時の微調整といった機能はないが、プレビュー画面で文字は確認できるので、心配はいらない。余計なことを考えずに住所を入力してすぐ印刷したい、という人にはうってつけの宛名印刷ソフトだ。

開発に苦労した点
今まで開発したソフトに比べると技術的には特に苦労はありませんでしたが、いろいろなフォント、プリンタに対応できるように、マージンなどの遊びの調整には気を使いました。

ユーザにお勧めする使い方
宛先はグループ分けが三つまでできるので、うまく使ってほしいと思います。また、面倒な方はフォルダごと複製して「Macで宛名書き（仕事用）」とか「Macで宛名書き（個人用）」とフォルダ名を変更して使ってもよいかと思います。1枚だけ印刷したい場合は「この一枚」というボタンをクリックすれば簡単です。

今後のバージョンアップ予定
Universal化は一応考えていますが、その前に改善要望などお知らせいただければうれしく思います。サポートBBS、ミニミニマニュアルは、http://native.e-cat.to/soft_bbs/にあります。また、最新の試用版はhttp://www.native-one.net/soft.htmlからも入手できます。