現代世界から“召喚”された少年が、魔法の国の姫と一緒に戦うRPG。「マテリアルシステム」「レベルアイテムシステム」「バトルエスティマ」など、独特のゲームシステムを多数採用する。「世界に届かぬ願い事」は、剣と魔法の世界が舞台のファンタジーRPG。限界を超えた強い思いや願いを持つと、自らの心の分身「サモン」が表れる不思議な異世界だ。サモンは「怒り」や「悲しみ」といったマイナスの感情で現れやすく、モンスターのように人を襲ってしまうことも多い。
魔法軍事国家・ハーティア国は、サモンを自由に操り戦う魔導師――通称「ハート」と呼ばれる人材──を多数抱えていた。ハーティア国の王族は、言葉を話す古代機械「ウィル」の力を借り、国の命運を分ける「サモンに関する特殊な力」を扱える。ところが現在、ハーティア国の王族はただひとり、「ミレス」という名の姫しかいない。ミレスは、あまりに強力な力が使えることに心を痛め、禁じられた「儀式」を行ってしまう。
一方、現代の日本。「人の心の声が聞こえる」という特殊な力を持つ少年「エイジ」は、その力ゆえ、自分が生きる世界や人々のことを信じられずにいた。世界に絶望した彼は死を選び、自らの命を絶とうとする……。
「エイジ」が意識を取り戻すと、眼前にはミレスの姿が。エイジは、ミレスの禁じられた儀式によって異世界に“召喚”されていたのだ。エイジはミレスと話すうち、彼女が自分と同じように「世界に絶望している」ことを知り、ある決意を固めるのだった。
エイジは「ある目的」を達成するため、古代機械「ウィル」とともにさまざまな場所へ移動することになる。町〜町といった拠点間の移動は「ワールドマップ」で行う。ワールドマップには青色のドットで描かれたルートが示され、拠点はオレンジ色のドットが表示される。ドット上を移動して、拠点があるオレンジ色のドットの上で決定ボタンを押すと、そのフィールド(場所)に移動できる。
そのほか、シナリオの進行状況によって通行できるようになるルートもある(通行できない場所は行き止まりの表示が出る)。また、はじめて通る拠点(オレンジ色のドット)は必ず立ち寄ることになり、素通りできない。一度入ったことがある拠点は、二度目以降の通行時には、中に入らなくても進める。
戦闘システムはターン制。独自のコマンド形式が採用されている。最大の特徴は、一般的なRPGにおける「通常攻撃」が存在しないこと。戦闘コマンドは「スキル」「ガード」「アイテム」の三つだけだ。
「スキル」は、行動時にSP(スキルポイント)を消費して発動する行動。使用できるスキルは、装備している「マテリアル」や「スタイル」で変わる。SPは1ターンにつき、最大SPの25%が自動的に補充される。消費SPが激しいスキルばかり使うと翌ターンに攻撃が行えなくなり、何ターンも待機してSPをためることになる。「ガード」は、敵から受ける攻撃のダメージを半減するコマンド。「アイテム」はその名の通り、アイテムを使用するコマンドだ。「ガード」「アイテム」はSPを消費せずに使用できる。
戦闘で重要なのが「スタイル」。各キャラがどのような戦闘スタイルで戦うかを示すものだ。スタイルには3種類あり、攻撃重視の「At」、回復・補助スキルが使える「Df」、魔法に適した「Ex」がある。スタイルは、各ターンの待機時に【←】/【→】キーで変更でき、スタイルを変えてもターンは消費されない。敵のタイプや、味方の状態にあわせて適切なスタイルを選べるかどうかが戦闘のカギとなる。
戦闘終了時には最大HPの20%が自動回復する。体力が少ないときに敵と出遭ってしまったら、エスケープ(逃亡)を繰り返して体力を稼ぐ手もある。ただし、エスケープを選択した次の戦闘では、SPが0からはじまるので注意が必要だ。
使用可能な戦闘スキルは、各キャラが装備している「マテリアル」でも変化する。マテリアルは、敵を倒すと手に入れられるアイテム。マテリアルを装備できるスロットはキャラごとに最大五つ。装備スロットには「A」から「E」までのスロット名が付いている。装備変更はメニュー画面で行える。
マテリアルにはさまざまなタイプが存在する。攻撃力をアップさせ、剣による必殺技を覚える「ソード系」、速さのステータスをアップし、風関連の魔法を覚えられる「風系」などがある。
マテリアルには「Dソード」「Eブレス」のようにアルファベットが付けられ、アルファベットに対応したスロットにしか装備できない。例えば「Eブレス」は、「E」のスロットにしか装備できず、「A」〜「D」スロットで使うことはできない。キャラの「属性」によっては、装備できないマテリアルもある。
「世界に届かぬ願い事」では、敵を倒しても経験値は得られない。レベルアップするには、専用のアイテムが必要となる。レベルアップ用のアイテムを使うことで、HPの上昇と「SP」「攻撃力」「魔攻力」のいずれかを強化することが可能。エイジがレベルアップできるアイテムは「ブルー」、ミレスは「ピンク」といった具合に、アイテムの種類はキャラごとに決まっている。