謎の屋敷で目覚めた少女が、妖怪「すねこすり」の協力を得て屋敷からの脱出を目指すアドベンチャーゲーム。「オシチヤ」は、幼い女の子を主人公にしたアドベンチャーゲーム。物語は、見知らぬ屋敷の一室からはじまる。主人公の少女は、その部屋で突然目覚める。様子を伺うと、部屋には「しゃべる提灯」がいたり、部屋の外では「少女を逃がさないように」と住民たちが会話していたり。少女は不安に駆り立てられる。そんな中、好奇心旺盛な妖怪「すねこすり」に出会う。「すねこすり」から「この屋敷には妖怪しか住んでいない」と知らされた少女は、どうにか屋敷を出ようと考える。同じように外の世界に出たいと願う「すねこすり」に協力を仰ぎながら、屋敷を出るための手段を模索する……。
ゲームの大きな特徴は、少女と「すねこすり」の視点を切り替えながらプレイを進められること。少女で行動しているときは「すねこすり」と、「すねこすり」で行動しているときは少女と会話することで、「主人公交代」のメニューが表示される。「主人公交代」から、操作するプレイヤーキャラを変更できるようになっている。
少女は何らかの理由で屋敷に連れてこられ、本来は厳重に見張られていることになっているため、まずは「妖怪に見つからない」ことが肝心。一部の友好的な妖怪の場合以外は、正体を見破られると即ゲームオーバーになる。見つかっても問題のない「すねこすり」で屋敷をくまなく探検する、というのが基本的なプレイスタイルだ。例えば、進みたい廊下の途中に妖怪がいる場合、「すねこすりを使って妖怪を移動させ、安全になってから少女に切り替えてから先に進めばよい。
少女と「すねこすり」は、互いに異なる能力を持つ。このため、少女が進めない場所は「すねこすり」で進み、「すねこすり」ができないことは少女が行うことになる。例えば少女は、本を読んだり、妖怪には触れることができない「お札」を剥がしたりすることが可能。背丈が小さい「すねこすり」には届かない、高い場所のものを取ることもできる。さらに「鍵を開ける」など、道具を用いた複雑な行動ができるのも少女だけだ。
一方、「すねこすりは」小さな穴に入ったり、【Shift】キーを押すことで1マス分ジャンプしたりできる。少女は暗い部屋に入ると視界が利かなくなるが、「すねこすり」は妖怪なので、暗い部屋でも比較的自由に行動できる。しかし、アイテムを複数持つことができなかったり、大きなものを運べなかったりという欠点がある。見つけたアイテムは、そのつど「道具交換」で少女に渡さないと、次のアイテムを手に入れることができない。
ゲームの途中、少女と「すねこすり」は鏡の妖怪「雲外鏡」によって、屋敷の「表世界」と「裏世界」に分かれて行動することになる。「雲外鏡」に話しかれば表と裏の移動は自由にできるが、少女が表側にいる間は「すねこすり」が裏側に、少女が裏側にいる間は「すねこすり」が表側に移動してしまう。表裏に分かれたあとは、屋敷の各所に用意されている鏡を使うことで、操作キャラを切り替えられるようになる。
「表世界」と「裏世界」は、存在する妖怪や妖怪たちの行動が異なるものの、基本的には同じ世界。屋敷の構造も左右が反転している点以外はほぼ同じとなっている。しかも、表の屋敷で扉を開くと裏でも扉が開くというように、互いの行動が別世界でも影響することがある。この「互いの世界が影響し合う」という性質を利用することで解ける謎もある。