シンプルな単機能ツールだが、実際に使ってみるとこれが意外に便利で手放せなくなる。むしろWindowsに装備されていないのが不思議に思えるほど、自然で使いやすい。Windowsで作業をしていて、気がついたらさまざまなウィンドウが開いてデスクトップが埋めつくされていた、なんてことは誰しも日ごろ経験するところだろう。そんなときに、目的のウィンドウを見つけ出してすばやくアクティブを切り替えるのはちょっと手間だったりする。目的のウィンドウのタイトルが見えていたり、そのウィンドウに何か目立つ特徴でもあったりすれば重なっている中から見つけ出してマウスで直接選択することができるが、そうでなければタスクバーやタスク切り替えウィンドウを使って探したり、目的のウィンドウが見つかるまでマウスで適当にクリックしたりするしかない。
通常はそれでも特に問題はないのだが、「deTitle」を使うことで、そこにさらに一つ選択肢を増やすことができる。ちょっとでもウィンドウの端が見えていればそこにマウスカーソルを移動してタイトルを確認することができるのだ──たったそれだけのことであり、なければどうしても困るとか圧倒的に便利になるというわけではない。だけど便利。目線をタスクバーに切り替えたりキーボードを操作しなくてもよく、それまでの作業の流れのままでウィンドウを探すことができるのが気持ち良い。特に、ファイルをドラッグ&ドロップするような作業のときには威力を発揮する。
プログラムもとてもコンパクトで邪魔にはならない。筆者にダマされたと思って使ってみてもらいたい。気がついたらいつのまにやら手放せなくなっていること請け合いである。
(秋山 俊)