誤って削除されたファイルを復旧できるソフト。再フォーマットされたボリュームなどからファイルを復旧することも可能。「File Scavenger」は、“ファイルが新しいデータによって上書きされていなければ”、誤って削除されたファイルを復旧できるソフト。「クイック検索」「完全検索」の二つのモードでディスク内部を検索し、復旧可能対象を探し出せる。Windows XP/2000/2003/NTで動作する。
「どのように削除されたか」を問うことなく、ファイルを復旧することが可能。「エクスプローラから通常の手段で削除」「ごみ箱に入れずに削除」「ごみ箱を空にして削除」「コマンドプロンプトで削除」「ネットワークドライブから削除」「各種プログラムから削除」など、どのような削除方法であっても、ファイルが使っていたセクタが上書きされていない限り、復旧できる。さらに、再フォーマットされたドライブや、ディスク障害でアクセスできなくなったRAID/スパンボリュームからもファイルを復旧することが可能だ。
対応するファイルシステムは、FAT12/FAT16/FAT32/NTFS。圧縮NTFSボリュームにも対応する。ディスクタイプは、一般的なベーシック/ダイナミック双方に対応。ボリュームタイプはスパンボリュームやストライプボリューム、RAIDボリュームに対応する。通常のファイル形式はもちろん、(NTFSで使用できる)ファイルの別内容(オルタネートデータストリーム)の復旧や疎記録ファイル(スパースファイル)といった、特殊なファイルを復旧することも可能だ。
操作は簡単だ。(1)復旧したいファイルを検索し、(2)復旧を実行すればよい。まず、検索場所(削除ファイルがあった場所)とファイル名を指定して、検索を行う。ファイル名にはワイルドカードも使える。検索モードは、より高速に検索を行える「クイック検索」と、より詳細にディスク内部の検査を行い、復旧の可能性を高められる「完全検索」の2種類を利用できる。
検索が終了すると、削除ファイルの一覧が表示される。一覧にはファイル名のほか、ファイルタイプやファイルサイズ、更新日時が表示される。正常に復旧することが可能かどうかの状態も「良好」「不良」として表示される。ファイルは、同列に一覧表示(リスト表示)させることも、削除前に存在していたフォルダに合わせてツリー表示させることも可能。復旧されたファイルは、指定のフォルダへ書き込まれる。
ハードディスクの不良などにより、正常にアクセスできないセクタがある場合、セクタ番号がわかっていれば、検索時にそのセクタにアクセスしないよう指定できる。セクタ範囲は複数を登録できるため、複数のエラー個所がある場合にも対応できる。
検索では、メモリが許す限りのファイル数を検索することができるが、メモリ不足に備えて、一度に検索するファイル数を限定できる。スキップするファイル数も指定できるので、2回目以降の検索では前、回検索したファイル分をスキップして検索すればよい。
ファイル検索時には、ファイルシステムの情報だけではなく、ファイルの種類ごとに決まっている「データパターン」も考慮される。元のファイルの最も正しいと思われる形式で復旧される。ファイルシステムの構造が失われた場合でも復旧の可能性が高くなる。