ソフトを開発しようと思った動機、背景
その昔、とあるファイルが、使用後の識別のためにファイル名の頭に“_”が自動的に付加されるようになっていました(「ComNifty」の「DownList.lib」と言って、わかる人がどのくらいいるでしょう?)。私は、そのファイルの内容を書き換えて何度も使用するという使い方をしていたのですが、その際に「毎回ファイル名の頭の“_”を消すのが面倒だな。簡単に変更できないかな?」と感じたのが「ReNa」を開発しようと思ったきっかけです。ですから「ReNa」の最初のバージョンは、ファイル名の頭に“_”を付けたり消したりする機能しか持っていなかったのです。「ReNa X」のアイコンを見ていただければ、その名残りがわかりますね(^_^)。開発中に苦労した点
Macのソフトは、本来の機能以上に「Look & Feel(見た目と使い心地)」がかなり重要な項目として求められると思います。それは「ダイアログのボタンの大きさが統一されている」とか「ボタンの位置がずれることなく整列している」といった、一見どうでもよさそうなことだったり、「直感的でわかりやすい」といったことです。センスも問われる部分でもあるので、デザインやプログラミングを全部一人でやるのは正直大変ですが、「ReNa X」はこのあたりにもこだわって作っているつもりですし、それが「ReNa X」をずっと愛用していただけていることにもつながっているのではないかと思っています。また、Mac OS Xへの対応は、リネーム機能そのものよりも、ダイアログ等のユーザインタフェースの移植の方に結構苦労させられました。
ユーザにお勧めする使い方
マニュアルには書いていませんが、「ReNa X」は日付をファイル名に追加したり、指定文字列と連番の間にセパレータ文字を入れたりすることができます。その方法は……ファイル名に追加する文字列として、「日付をお好みの書式で」設定すればよいのです。セパレータ文字は、最初から「お好きな」セパレータ文字の付いた指定文字列を設定しておけばよいのです。怒らないでください(^^)。タネを明かせば「な~んだ」と思われるでしょうが、このように「ReNa X」は、ユーザの工夫次第でいろいろな使い方ができるようにしているのです。
今後のバージョンアップ予定
リネーム機能については現在以上に増やすつもりはなく、必要十分だと思っています。いつも「もうバージョンアップするところはないだろう」と思いながら公開しているのですが、そう思い続けてすでに10年経ちました(^^;。開発環境をそろそろ「Xcode」に移行しなきゃいけないなと思ってはいますが、頭のイタいところでもあります(^^)。
「ReNa」への想い
「ReNa」を初めて公開した1995年当時、同様な機能を持つソフトは「ReNa」を含めて3本ぐらいしかなかったと記憶しています。いまでこそこのようなソフトはたくさんありますが、変わらずに愛用し続けていただけることは、まさに作者冥利につきます。公開から10年が経ち、インターネットやデジカメが当たり前の時代になり、私が当初想定していたのとはまったく違う使われ方をしているのかもしれませんので、できるだけみなさんの要望にお応えできるようにしたいと思います。
「ReNa」はわたしが初めてMacで開発したソフトであり、「ReNa」の成長とともに私も成長してきましたので愛着もあり、かわいい我が子のようでもあります。みなさまのすばらしいMacintosh Lifeのお役に少しでも立てていただけたなら幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。
(井上 勝仁)