テキスト/データファイルなどを、画像ファイルに隠して埋め込めるソフト。大切な情報を安全にやり取りできる。「ステガノグラファー」は、ステガノグラフィ(電子あぶり出し)技術を利用し、画像ファイルに大量の透かしデータを隠蔽できる“電子透かしエディタ”。錯乱(コンテナ)画像に、重要な透かしデータを埋め込んで、やり取りを行える。透かしデータの埋め込み時に(暗号化)パスワードを設定したり、データを暗号化したりすることも可能だ。
透かしデータが埋め込まれたファイルの作成は、
- 錯乱(コンテナ)画像の選択
- 透かしデータの埋め込み
- データが埋め込まれたファイルの保存
の手順で行える。錯乱画像に利用できるのは、BMP/JPEG/GIF/TIFF/PNG、Photo CD/Photo CDオーバービューなどの一般的な静止画像のほか、ICO/CUR/ICL/ANIといった特殊な画像ファイル、AVI/MPEG/MOVなどの動画、さらにPSD/PICTなど。メイン画面へのドラッグ&ドロップでセットできる。透かしデータは、ダイアログボックスでテキストを直接入力して埋め込めるほか、任意形式のファイルやショートカットなどを指定することが可能。ファイル/ショートカットは、表示されている錯乱画像へのドラッグ&ドロップでも簡単に埋め込める。埋め込み時に、データに対してパスワード設定を行えるほか、データそのものを暗号化することも可能。パスワードはMD5で暗号化される。データの暗号化レベルは、CAST128またはIDEAから選択できる。
「ステガノグラファー」で使われている埋め込みエンジン「HIP(Happy Image Privacy)」の特徴は、従来にない大容量データを埋め込めること。、容量が許す限り、複数の透かしデータを埋め込める。データ量の目安は、錯乱画像を24ビットの非圧縮ビットイメージとした際の容量の10〜60%程度。目安としては640×480ピクセルのVGAサイズの画像(およそ1MB容量)に、100〜600KB程度の情報を隠蔽することが可能だ。
データを埋め込まれた錯乱画像に、色変換やぼかしなどのフィルタを適用することもできる。フィルタは計19種類が用意されている。そのほかに上下左右の反転や90度回転といった処理も可能だ。
錯乱画像は、可逆的な24ビットカラー対応のファイル(BMP/TIFF/PNGのいずれか)として保存できる。保存された錯乱画像は、一般的なグラフィックソフトでそのまま読み込める。ただし、錯乱画像を見ただけでは、データが埋め込まれていることはまったくわからない。
透かしデータの抽出は、「ステガノグラファー」のメイン画面で行えるほか、エクスプローラ/Internet Explorerのコンテキスト(右クリック)メニューからも行える。パスワードが設定されている場合はもちろん、パスワードの入力が求められる。