「知恵の館」は、不思議な館の中を冒険する、謎解き系のアドベンチャーRPG。主人公の「アレックス」は、普通の冒険者なら単独でもクリアできるといわれる「館」を探検することになる。しかし、中に入った途端、入り口が閉ざされた上、館にはさまざまな罠や仕掛けが用意されていた。アレックスは知恵を駆使して、この不思議な館の調査と、館からの脱出を目指す。

プレイヤーの目的は、多数の部屋に区切られた館の内部を探索し、最奥の部屋を目指すこと。ほとんどの部屋では、次の部屋に移動するための扉や階段が隠されている。そのため、床や壁を「調べて」仕掛けを見つける必要がある。多くの場合は隠し扉の前の床が少し汚れていたり、光が差し込んでいるといったヒントがあるので、注意深く探索すれば先に進むことができる。

ゲームには、パズル系の仕掛けも多数用意されている。複数のレバーの上げ下げパターンが通路を開く鍵になっている部屋や、暗号からパスワードを推測する仕掛け、障害物を押して通路を確保する「倉庫番」風のパズルなどがある。なかには、縦横斜めのどの方向から足しても同じ数になる「魔法陣」を作る算数問題や、記憶力を試す問題なども待ちかまえている。

さらに、頭を使うパズルだけでなく、「動き回る光を捕まえる」「動くワープアイテムに接触しないように扉まで移動する」といった、タイミングや反射神経が試されるアクションゲームも仕掛けられている。このような場面では、【Z】キーの2回連続押しで有効になるダッシュ機能「ダブルクイック」が重要。通常よりも速く移動できるようになるが、細かなコントロールが難しくなるので注意が必要だ。

戦闘場面は一般的なRPGに比べて少ない。しかし、敵の戦闘能力は高く、雑魚敵と戦ってレベルアップするという手法が使えないため、苦戦を強いられることが多い。戦闘能力の強化は、ダンジョン内で見つかるアイテムで行える。あるアイテムを入手すると「妖精」が経営する店に行くことができ、強力な武器や防具を手に入れられるようになる。装備する武器によって、発動できる剣技や魔法が異なってくる。

妖精の店では武器や防具のほか、消費MPを少なくできるアクセサリや、HPやMPを回復するアイテムなども購入できる。ただし、アイテムはすべて「現品限り」となっているので、回復系の使い切りアイテムは、基本的にダンジョン内で手に入れることになる。購入資金は、手に入れたアイテムを売却することで貯められる。

一般的なRPGで見られる「雑魚敵との戦闘」がないことも特徴だ。エンディングまでに敵と遭遇するのは数回程度なので、パズルを解いている間に戦闘がはじまってイライラすることもなく、隠し扉の探索やパズルの解読に集中できる。

ただし、数少ない敵との戦闘難易度は少々高めだ。初期装備で勝利するには、何度か戦って攻撃パターンを分析するといった戦略が必要になるだろう。とはいえ、どうしても勝てない場合には、シークレットアイテムを装備して力技で勝つといった方法もある。また、「手順を間違えたらゲームオーバー」ということはほとんどなく、ゲームオーバーの危険性がある場所にはセーブポイントが用意されているなど、親切な作りになっている。

開発中に苦労した点
自作メニューや戦闘イベントの作成、素材の調達です。気づいていらっしゃる方はほとんどいないと思いますが、このゲームはバトルエフェクトにかなり凝っていて、デフォルトとして「ツクール」に最初からついているものは一切使っておりません。自作メニューは「何となく作ってみたかったから」というのが正直な動機です。最初は右も左もわからず、イベント画面をにらんでは四苦八苦していました。

ユーザにお勧めする「知恵の館」探索スタンス
このゲームはプレイヤーが自力でクリアできるように注意を払って作ったつもりです。そのため、ヒントを非常に明確にしています。つまるところ、本当に「何もないところには何もない」のです。そこに何らかの仕掛けがある場合は、必ずその理由があります。したがって無作為に壁や床を連打する前に、「ヒント」や「現場」を十分に吟味してみてください。

戦闘バランスがきついというコメントをプレイヤーのみなさまからいただきますが、敵の攻撃パターンは限られています。何にもおいて「死なずに安定してダメージを与えること」が重要です。どうしてもクリアできないという方は、攻略掲示板までお越しください。解答・攻略法を受け付けております。

今後の更新予定
特に定期的なバージョンアップは行っていませんが、プレイヤーからバグ等のご報告をいただいた際に、適宜潰していっています。

最後に
「知恵の館」開発にあたって、多くの人にお世話になりました。この場を借りて、良質の素材を提供していただいた方々、貴重なプレイの感想をくれた方々、テストプレイヤーの部員たちにお礼と感謝の気持ちを述べたいと思います。