ソフトを開発しようと思った動機、背景
クリップボードをうまく監視・利用し、パソコンの機能を高めるツールは、ユーザの利便性を高め、より効率的に作業を行うことができ幅広く活用されてきていると思います。ところが最近では、大きく話題となっている個人情報保護法にともない、コンプライアンス(法令尊守)が大事な時代になってきていると思います。個人情報もさることながら、パソコンで管理される資源(ワープロファイルなど)の流出は企業にとって(個人にとっても)、非常に多大な損失を与えます。このような状況の中、社内PCユーザに「この操作は禁止」「あの操作は禁止」と、都度説明して社内道徳(ルール)を守らせるのは一苦労です。そこで、これが正攻法! と自分の身は自分で守る、会社の財産は会社が守る、このような考えのもと(思いと機能に温度差がありますが……)「FUBEN」を開発いたしました。
開発中に苦労した点/開発の経緯
開発上、難航する部分はありませんでしたが、機能的な面での検討に時間を費やしました。パソコンのセキュリティをがっちり固めれば、利便性は落ち、逆に利便性を追求すれば、セキュリティ性能が落ちる。この「セキュリティとユーザビリティ(利便性)」という、相反する性質のものをパソコン上では同居させなければならないため、機能的にどう折り合いをつけるかがポイントでした。
当初、クリップボードの監視を行い、すべてガードをかけた状態で利用を開始しましたが、メールやワープロ、表計算、プレゼン作成などの一般的なアプリケーションを利用していると、意外と頻繁にクリップボードを利用したファイルコピーや、スクリーンショットを使用していることに気づきました。
これではせっかく撮ったスクリーンショットも、いざ画像ソフトに貼り付けようとすると、「貼り付け」ができなくなってしまい、「困った!」──こんなことが多くありました。そこで、忠告程度のモードでは? という考え方を取り入れました。これはなかなかおもしろいアイデアでした。
普通にコピーなどはできるものの、画面上に警告メッセージが出て、「コピーしたことをパソコンに悟られている……」と本来、自然なことではあるのですが、悪意を持っていると「誰かに気づかれた!」と心理をつかれ、びっくりしてしまいます。これがきっかけとなり、不便モード(強・弱)が追加されました。
ユーザにお勧めする使い方
各種アプリケーション専用機(POSシステムなど)であれば、不便度(強)でもよいかなと思いますが、私がお勧めしたいのは不便度(弱)モードです。「がっちりコピーガード」ではありませんが、大きな役割を果たすと思います。不便度(弱)モードでは、
- 警告メッセージ出力をON
- 画像キャプチャ機能をON
- アイコン表示OFF
という設定でお使いいただくことをお勧めいたします。このような設定にしていただければ、- つらい仕事中、愛らしい「FUBEN」君が出てくる
- ファイルコピー、【PrintScreen】操作時のパソコン画面が画像ファイルで残っているため、何かトラブルがあった場合、履歴から操作を追跡できる
というメリットがあります。今後のバージョンアップ予定
- 画像やログが残ってしまい、パソコン内の容量を食いつぶしていきますので、保存期間の設定機能
- ネットワークに対応し、管理用パソコンで一括監視が行える機能
- 管理パソコン上に不正検出機能を持たせ、メール通報等と連動する機能
- 特定ファイルのウォッチ機能
- 「FUBEN」君のフェース変更
を予定しております。名前の由来
当初、「コピーガード」「スクリーンショットガード」など月並みな名前をつけておりましたが、モードを「強」にすると、コピーはおろか、【PrintScreen】を使った画像キャプチャもできなく、「こりゃ不便だ」と思ったのがきっかけで「FUBEN」となりました。いまでは、モード「弱」で利用しておりまして、たまに出てくる「FUBEN」君も愛らしく思えます。
(FREELINESOFTWARE.COM)