“画像処理の「実験・研究」を目的”に作成されたユニークなフォトレタッチソフト。ブラシ系ツールは持たないものの、レベル補正などの基本的な機能を備えている。「0式調画機 銀猫」は、レベル補正や彩度補正、フィルタ処理などの機能を備えたフォトレタッチソフト。実験・研究目的の色彩が強く、開発過程が公開されているほか、配布アーカイブにはソースプログラムが同梱されている。プログラムを理解できる人であれば、「どのようなプログラムを書けば、どのような機能を実装できるのか」を学習することが可能だ。もちろん一般的なフォトレタッチ用途としても十分な機能を持っている。
メイン画面は、編集エリアのほかは、メニューバーだけのシンプルなもの。フィルタ処理などは画像全体を対象に行われる。対応する画像形式はBMP/JPEGに加え、独自形式のYCrCbの3種類。JPEGの保存品質は100〜50の6段階で指定できる。
主な機能は「調整」「変換」「フィルタ」の各メニューにまとめられている。「調整」で利用できるのはリサイズや、コントラスト/ガンマ/彩度などの補正、RGB各チャンネルの階調の変更、一定値以下の階調の切り捨てなど。なかでもユニークなのが、カラーバランス補正に相当する「成分調整」だ。RGBそれぞれの度合いを調整できるのに加え、YCrCbモードに切り替えることにより、「Y(明るさ)」「Cr(赤の成分)」「Cb(青の成分)」の各成分で画像を調整できる。明るさと色を分離することで、相互に影響を与えずに加工することが可能だ。
「変換」には白黒化、色変換、RGB変換、上下/左右の反転、単色変換(特定の色を他の色に置き換える)、216色化などが用意されている。「フィルタ」ではエンボス、アンシャープマスク、ぼかし、メディアン、アンチエイリアシング、輪郭線追加などに加え、パラメータによってさまざまな効果を作り出せるカスタムフィルタを設定することも可能だ。
そのほかにも、トリミング、画像のピクセル寸法や色数の表示、表示倍率の変更などが可能。表示倍率は0.25倍〜原寸大〜4倍の6段階から選択できる。