魔王の復活による侵略を阻止するため、勇者の息子が立ち上がるファンタジーRPG。一風変わった登場人物たちが織り成すコメディタッチのストーリーが魅力的。数十年ほど前、人間は「魔王ダルス」の率いる魔界の軍勢に侵攻されて窮地に陥っていたが、正義の女神から一振りの剣を与えられた「勇者ラウゼル」が、その力を解放することで魔王を倒した―――「FEATHER OF BRAVE」の舞台は、このような昔話が残る平和な世界だ。
かつての勇者ラウゼルも、いまではただのオジサンとなり、その家は町の観光名所になっている。ところがある日、ラウゼルの息子「マイロ」が城に呼び出され、唐突に「封印されていた魔王の息子が復活したので退治せよ」という命令を受ける。「敵が魔王の息子なら、こっちも勇者の息子でいいや!」という安易な展開に一時は抵抗したものの、マイロは強制的に前途多難な旅に出されてしまう。
ストーリー自体は「世界の破滅を救う勇者の物語」というオーソドックスな内容。しかし、微妙にヤル気が感じられない「他称」勇者の主人公に、世界の命運がかかっている(かもしれない)のに「行き当たりばったり」の考えで周囲を振り回す王様、序盤から元気満タンで登場した挙げ句「押しかけ」同行する謎の電波少女セルフィなど、登場キャラクタたちは「ちょっとヘン」な人ばかり。中盤から次々に現れてくる敵もみな、個性的で魅力にあふれている。
「FEATHER OF BRAVE」の特徴は、なんといっても彼(彼女)らとのやり取りのおもしろさ。特に、ひたすらやる気に溢れていて強引かつポジティブなセルフィと、ヤル気の感じられないマイロとのやりとりは秀逸だ。しかも、セルフィが仲間になったあとは、ゲーム中に【X】キーを押して「セルフィと話す」を選択することで、いつでも漫才のような掛け合いを楽しめる。
キャラクタの成長を自分でコントロールできるシステムも特徴。敵と戦うと経験値「EP」が手に入るが、一般的なRPGのように経験値がたまると自動的にレベルアップするわけではない。プレイヤーはゲーム世界の各所にある「ギルド」と呼ばれる店で、EPと引き換えにレベルアップを行うのだ。また、レベルだけでなく、「最大HP」「攻撃力」「敏捷性」といったステータスを上げることも可能。さらに、戦闘時に使える一部の魔法もEPを使って習得することができる。魔法の習得は、レベルアップ時に自動的に行われるほか、魔道書などのアイテムを入手することでも可能だ。
戦闘は敵との遭遇で発生するが、ワールドマップではランダムエンカウント、ダンジョンではシンボルエンカウントで遭遇するようになっている。このため、ダンジョン内では敵のシンボルを避けることで戦闘を回避できるほか、背面から敵に接触することで敵の不意をつく「バックアタック」が行える。バックアタックが成功すると、敵はパニックを起こして防御力や敏捷性が半減した上、1ターン目は行動不能になる。反面、背後から敵に襲われるとまったく同じことが味方に起こるので注意が必要だ。