筆者はいろいろな場所へ打ち合わせに行く関係で、地図や路線探索ソフトのお世話になることが多い。地図のデータというのはかなりの容量になるため、自宅でも出先でもネット接続して地図サイトから必要な分だけ取り出すようにしている。昔はローカルに入れておく必要があったから、便利さは格段に向上した。「道のり君」は、地図サイトへアクセスして、マウスで経路をなぞるだけで距離を測定してくれるソフトだ。紙の地図でも、距離を測るキルビメータとかマップメータというものがあり、これはそのソフト版といえるだろう。地図には縮尺や目安のバーが出ているので、およその直線距離なら目測でも把握できる。
でも、オフィス街だとワンブロックが大きいことが多いし、道というのは必ずしも直線ではないから、実際には意外と距離があったりするものだ。土地勘のない街や観光地をトコトコ歩いていると、「道を間違ってるんじゃ?」という不安に陥ったりすることがある。そんなときでも正確な距離がわかっていると安心だし、目標物が見えるタイミングもわかりやすい。細かく道を折れる場合のことを考えると、マウスでたどるだけで計測完了というのはラクラクだ。
もちろん歩くときだけでなく、車で移動するときにも便利だろう。自分で運転するなら地図で測った距離をトリップメータで確認できるし、タクシーなどを利用するなら、おおまかな料金を計算できる。自宅の近所の地図を使ってウォーキングのメニューを作るというのもおもしろそうだ。
現在では地図サイトの数も多くなり、サイトごとに微妙に異なる大きさで表示されることがあるが、地図サイトごとの縮尺に対応してくれる「簡単セット」のおかげで、設定に悩まなくて済む。目的が同じなら主なパラメータは一度セットしておけばOKで、あとは地図をたどるだけで結果を表示してくれる。いざというときに地図サイトを広げて指でなぞるより、こういう便利なツールを確保しておくのが時間も手間もはぶけるし、何より正確だと感じた。
(呉 真)