「小窓プロジェクト」は、デスクトップに「小窓」と呼ばれる小さなウィンドウを複数配置して、それぞれにテキストデータや静止画像を表示する付箋紙ソフト。小窓の上にマウスを載せると、内容の情報がツールチップで表示される。小窓の表示位置や大きさ、枠幅、不透明度などは個別に設定でき、起動時に隠したり、点滅表示させたりすることも可能だ。小窓をダブルクリックして、指定したアプリケーションを起動することもできる。

小窓の作成は「新規作成」コマンド以外にも、クリップボードのデータを利用したり、スクリーンキャプチャで得られた画像データを利用したりして行える。既存の小窓を複製する機能もある。専用のゴミ箱を備えており、削除した小窓を復元することができるほか、すべての小窓の状態を記録して、あとから元の状態に戻すこともできる。

テキストデータは、フォント/文字色/背景色/配置を指定できる。内容をクリップボードに転送したり、1行目を件名、全体を本文としてメールで送信したりすることもできる。1行目だけが見えるようにしたり、全体が見えるように小窓のサイズを変更したりすることも可能だ。

表示できる画像は、BMP/GIF/JPEG/PNG/TIFFの各形式。URLを指定してネットワーク上の画像を表示することも可能。ネットワーク上の画像は手動更新のほか、更新頻度を30秒〜毎正時の7段階の中から指定して自動更新させることもできる。画像配置や拡大/縮小、小窓サイズと画像の相互フィットなども行える。同じ小窓に文書と画像を指定すると、重ね合わせて表示される。

メモリが許す限り無制限に小窓を作成できるだけでなく、多数の小窓を作成しても簡単に表示を整えることができるので、多くの情報を容易に扱える。データは自動的にiniファイルに保存されるため、保存操作を意識せずに使えるのもうれしい。また、細かいことだが、マウスを小窓に載せている間、すっとツールチップが消えないのも便利に感じられた。

また、同梱の取扱説明書にも記載されているが、小窓のダブルクリック時に指定アプリケーションを起動する機能を応用すると、別途に用意したテキストファイルを閲覧したり、編集することができて便利だ。小窓の「FileView」をONにした上で、ダブルクリック起動アプリとにテキストファイルを指定すると、小窓のツールチップにファイルの内容が表示される。さらに、ダブルクリックするとテキストファイルが開くので、そのまま編集作業などを行うことができる。

豊富な機能を備えるだけに、丁寧に記述されている取扱説明書（マニュアル）は非常にありがたく、こういった点でも好感が持てる。デスクトップに「情報への小窓」をつくりたい、すべてのユーザにお勧めできるソフトだ。

開発中に苦労した点
プログラミングです。本ソフトは、言語“C#”を使って作られています。以前は“C++”を使っていたのですが、これからはC#も使えなければということで、勉強も兼ねてトライしてみました。ただ、C#は新しい言語のため、そのノウハウがあまり公開されておらず、苦労しました。結局、C++で使っているテクニックも、一部流用しています。

ユーザにお勧めする使い方
小窓をたくさん表示する時は、各小窓のサイズを1行サイズにするとよいでしょう。メニュー「小窓を1行サイズに」でできます。

画像およびミニWebブラウザを表示している小窓は、表示面積が大きいので、アイコン化するとよいでしょう。その閲覧は、小窓のツールチップ表示からできるので、便利です。取扱説明書【7.8（1）】に、詳しい説明があります。

文書のサイズが大きい場合は、テキストを別ファイルとして作成し、特殊機能「FileView」を使うとよいでしょう。そのテキストファイルの閲覧は、小窓のツールチップ表示でできるので、便利です。取扱説明書【7.8（2）】に、詳しい説明があります。

今後のバージョンアップ予定
ミニWebブラウザは、操作性がいま一歩なので、もう少し改良したいと思っています。また、タイマ関係の機能がないので、追加したいと思っています。暫定版は、随時（月に1回ぐらいのペースで）私のホームページに公開していますので、よろしければダウンロードしてみてください。ただし、テストが十分でなく、予期しない動作をする可能性があります。ご注意ください。安定した版ができたら、正式版としてVectorのサイトで公開していきます。

ご要望、不具合の発見など、何でもかまいませんので、みなさまからのメールをお待ちしております。できる範囲で、バージョンアップに反映させていきたいと思っています。