多種多様なパズルが用意された謎の塔を、アイテムを駆使して制覇する思考型RPG。コメディタッチのストーリーと、解き応えのあるダンジョン攻略が魅力的。「マキコー姫と二つの塔」は、「時の賢者の塔」に出向いたまま失踪してしまった王子を捜すために、「マキコー姫」とお供の「トリニティ」が数々の困難を乗り越えていくという設定のRPG。塔を目指して旅をはじめた二人だが、「迷いの森」で文字通り迷子になり、森からの脱出を試みることになる。ちょっと尊大で我がままなマキコー姫と、苦労症のお供のトリニティ、亀の姿をした商人や喋るお地蔵様など、個性的なキャラクタたちが登場するコメディタッチの物語になっている。
最大の特徴は、なんといってもパズル要素の強いダンジョンだ。攻略するために重要なのが、マキコー姫の「指環装備」。通常の移動マップ画面で魔法を使うためのアイテムとして、序盤ではキャラクタの前方1マスを燃やせる「炎の指環」を使用できる。指輪の種類はゲームの進行とともに増え、さまざまな魔法が使えるようになる。指輪の切り替えは【1】キーで行う。
「時の賢者の塔」に突入すると、各部屋ごとに異なったパズルが用意されている。パズルの種類は、暗号を解読してアクションを起こすもの、ツルツル滑る氷の上にある宝物を障害物を利用して手に入れるもの、塔に設置されたレバーなどを操作して先に進むものなど、さまざま。なかには、とりあえず無視して先に進むことで、解決のヒントが手に入ることがあるなど、解き応えも十分だ。ゲーム後半には、別々の場所にいるマキコー姫と王子を切り替えながらパズルを解く問題も用意されている。
戦闘はリアルタイム制を採用しており、赤い「バトルタイムゲージ」が満タンになったキャラクタから「コウゲキ」「マホウ」「アイテム」といった行動を取る。ターン制とは異なり、「すばやさ」のステータスが高ければ、敵が1回攻撃する間に複数回の行動を起こすことができる。反面、味方キャラクタのゲージが満タンになっても行動選択で迷っていると、敵がどんどん攻撃してくるので注意すること。
リアルタイム制の場合、次にどのような行動をとるか、プレイヤーがじっくりと考える時間はない。しかし、「マキコー姫と二つの塔」では、ダンジョンのパズル攻略に力を入れているためか、敵はあまり強くない。戦闘難易度は低めなので、RPGの戦闘が苦手という人でも安心してプレイできるだろう。また、とある隠し部屋を見つけることで、敵との遭遇率をコントロールするアイテムを手に入れられる。このアイテムさえあれば、面倒な敵との戦闘を回避しつつ、じっくりとダンジョン内を歩き回ることができる。