ソフトを開発しようと思った動機、背景
インターネットの普及にともない、学校ではコンピュータを利用した授業が積極的に行われるようになってきました。生徒の名簿番号でフォルダを作成し、データを管理しようと思ったのですが、数百人分のフォルダを一つひとつ手動で作っていたのでは時間がかかるので、連番フォルダ作成ツールの必要性を感じました。すでにこのようなソフトはいろいろな方々が作成されているようでしたが、そのころはじめていたWindowsでのプログラミングの勉強にもってこいの題材だと思い、自作することにしました。最初は、連番データを利用できるだけの単純なものでしたが、思った以上に便利だったのか、多くの人たちから反響がありました。しかし、使っているうちに番号だけのフォルダではどの生徒のフォルダなのかひと目でわからないことがあり、任意文字を付加できる機能を追加するなどして、現在に至っています。
開発中に苦労した点
今回、一番気をつけたことは、大幅な機能のアップにともなって使いにくくならないように、インタフェースをわかりやすく、しかもコンパクトにまとめた点です。設定項目が多くなると、どうしても大きな画面を必要としがちですが、解像度の低いパソコンでも利用できるように、600×480に収まるように設計してあります。基本的にWindows XPでの利用を考え、外観をXPらしい色使いにし、統一感を持たせました。プログラミング以上にインタフェースのデザインに時間をかけました。
Ver.3では、大きな機能の追加が二つあります。一つは、連続データとして、番号だけでなく、日付や英文字が利用できるようになった点です。日付データを扱うことは以前に作成したプログラムでも行っていましたが、表示形式を多様にした分、処理も複雑になり、作成に時間がかかりました。もう一つは、フォルダ構造を読み込み、クローンを作成できるようになった点です。フォルダ構造を読み込むソース部分は、kondel-MLの方々からアイデアをいただいたもので、私の技量では実現できませんでした。このような苦労を経て、機能面とデザイン面のバランスがうまくいき、自分でも納得のいくソフトになりました。
ユーザにお勧めする使い方
サブフォルダの作成も同時にできるので、論文などの長い文章をエディタなどで書いている方は、章・節・項などのフォルダを作成すれば文書の管理が簡単になると思います。また、日付フォルダを作成できるようになったことで、デジカメ画像の管理などに利用できると思います。さらに、フォルダのクローンを作成することができるので、年度の終わりに一括してCD-Rなどにデータのバックアップを取り、昨年と同じフォルダを年度はじめに作成するといったことが簡単にできます。
私のWebページで、Macintosh版の公開も始めました。機能的にはWindows版に比べ制限がありますが、Macユーザの方々にもご利用いただければと思います。
今後のバージョンアップ予定
外国の方々から大変便利なので英語版を作成してほしいという要望があり、英語版の作成を行いたいと思っています。
今後は二つの機能を追加を考えています。一つは、日付の表示形式をユーザが自由に設定できるようにすることです。もう一つは、フォルダ作成と同時に、任意のファイルを作成したフォルダにコピーする機能を追加することです。利用者のみなさんから「こんなフォルダを作ることがよくあるのだが、何とかならないか」というような要望がありましたら、お寄せいただければ対応していきたいと思います。
(nappa)