現在よりも遥かに進化した、近未来のインターネット世界が舞台のRPG。「ON LINE」はその名の通り、ネットワーク世界を舞台にしたユニークな長編RPG。人々はすでに、コンピュータの作り出す仮想現実空間の中で行動することが可能になり、サイバーテロの陰謀も企てられていた。ゲームの主人公は、伝説のデータベース「黙示録」の謎に立ち向かう4人の男女。
プレイヤーが操作するのは、サイバーテロ組織に所属するハッカーであった「フィル」と「フェイリア」、掲示板の管理人「エリザ」、そしてネットサーファー「レイファー」の4人。4人はそれぞれの思惑を秘め、世界中のあらゆる情報を記録しているという伝説のデーターベース「黙示録」を求めて、広大なインターネット世界の中を探索する。
「ON LINE」の世界では、インターネットはもはや「パソコンを介してテキストや画像などの情報をやりとりするもの」ではない。多くのユーザは自らの脳にマイクロチップを埋め込んで直接、脳で情報を受け取っていた。インターネットの世界は、仮想とはいえ、もはや「もう一つの現実社会」となりつつあり、ユーザは五感のすべてを使って情報を受け取ることができる。近い将来には「仮想空間で食事を摂ると、実際に肉体への栄養の補給が行われる」システムまでもが実現を予定されていた。そして、脳に埋め込まれたマイクロチップの影響で、仮想空間内での「死」は、時としてプレイヤーの現実の死に直結することすらある……。
ゲームの進め方は、一般的なRPGとほぼ同じ。街の中でさまざまな人に話しかけて情報を集め、店で武器や道具を購入して装備を調えながらダンジョンを探検する。ダンジョンの中では、行く手をさえぎるモンスターを撃退しながら隅から隅まで歩き回り、アイテムを入手したり、ストーリーを進展させるイベントをクリアしたりする。
ただし、「ON LINE」では、すべてがインターネットで使用される用語に置き換えられる。例えば、街は「掲示板」または「BBS」と呼ばれる。店は「スレッド」、武器や防具は各種の「アプリケーションソフト」、回復用のアイテムは「Patch」、ステータスは「セキュリティレベル」といった具合。さらにモンスターは、さまざまな種類の「ウイルス」であったり、「荒らし」や敵対する「ハッカー」などの人間であったりする。ゲーム中の用語をまとめた「ディクショナリ」がアイテムとして用意されている。
ゲームでは、お金は使用しないが、その代わりに使用されるのがさまざまな情報「Info」だ。ウイルスを撃退したり、イベントをクリアしたりすると、その新奇性に見合っただけの「Info」を手に入れることができ、これを使って店などで物を買うことができる。さらに、敵を倒したことなどによる経験値の蓄積や、それにともなう自動的なレベルアップも存在しない。
キャラクタの強化にも「Info」を使用する。十分なInfoがたまったら、選択したキャラクタのパラメータを強化することが可能。アイテムの「Updataダウンローダー」を使用して、ダウンロードサイトに接続し、手持ちのInfoを強化したいパラメータに割り振ることができる。強化できるパラメータは「SP」「MP」「OF」「DF」など、全部で6種類。「SP」と「MP」は、ヒットポイントやマジックポイントで、上限を上げられる。そのほかの四つは、戦闘時に適用される攻撃力や防御力などのパラメータだ。強化を実行すると、アップデータのダウンロード状況を示すダイアログが表示される。
操作面での特徴に「新たな街やダンジョンなどへの接続」がある。「ON LINE」では、行ったことのない街などへ行くためにはまず「IPアドレス」を入手する必要がある(IPアドレスの形式は、例えば「9001:4F24:1::xxx:yyy」など)。その上で、さらにそのIPアドレスが示す座標までフィールドマップ上を移動し、そこにリンクを張る必要がある。多くのゲームのように、マップ上にすでに街が表示されているのと異なり、リンクを張るまでは街の痕跡などはない。もちろん、マップ上を移動している最中にウイルスなどの攻撃を受けることもある。