月の夜に「精霊の歌声」が聞こえる不思議な世界で、突然消えてしまった歌を取り戻すために戦う少年たちを描くファンタジーRPG。美麗なグラフィックが魅力的。「月夜に響く歌声」の舞台となる世界では、月夜の晩になると精霊の美しい歌声が聴こえてきて、平和の象徴として人々に愛されていた。しかし、ある満月の夜から突然聴こえなくなってしまう。時を同じくしてモンスターが凶暴化し、人や街を襲いはじめた。
主人公は18歳の少年クラク。8年前、モンスターの襲撃を受け、唯一の肉親である祖父を亡くしていたが、明るい友人たちに囲まれて幸せに暮らしていた。ところがある日、街の子どもたちを探しに森に入ったクラクと友人のティファはモンスターに襲われ、子どもをかばったティファが大怪我を負ってしまう。彼女を守れなかったと自分を責めるクラクは、モンスターの凶暴化と精霊の歌声が聴こえなくなったことに関係があると考え、精霊を探し出して世界を平和に戻すための旅に出る……というストーリー。
なんといってもグラフィックが美しいことが特徴。主要なキャラクタ5人は特に力が入れられ、笑う・怒るなど、台詞に合わせて表情や仕草がクルクルと変化する。台詞がない場面でも、相手の感情が伝わってくる。わかりやすいストーリーやキャラクタ同士のかけ合いも魅力的だ。
戦闘はオーソドックスなターン制を採用。キャラごとに異なる通常攻撃を持つほか、MPを消費して放つ必殺技も利用できる。ゲームの難易度は「ノーマル」「イージー」の2種類。イージーの場合は一定額で宿泊でき、パーティ全体の回復が行いやすくなる。
「スキルシステム」も特徴のひとつ。各キャラがレベルアップ時に入手するSP(スキルポイント)を消費し、キャラのスキル(能力)を強化するというもの。強化できる基本スキルは、
- Attack Power(攻撃力)
- Defence(防御力)
- Mental Power(精神力)
- Avoid(すばやさ)
の4種類。このほかにも、ダンジョン内の宝箱などから特殊なスキルを発見できることもある。スキルアップに必要なSP量はレベルによって異なる。「月夜に響く歌声」では、回復魔法を使うことができない。一人ずつ回復アイテムを服用する必要があるため、強い敵と戦った場合は、回復が追いつかないことも多い。また、購入できる回復アイテムにはHPを一度に完全回復させるものがなく、戦闘中に回復できるアイテムは高価だ。戦闘中以外で利用できる回復アイテムは比較的安く買えるので、ダンジョンなどに入る前に安価なアイテムを大量購入し、戦闘終了後にこまめに回復するのがポイントとなる。
エンディング後のセーブデータでゲームをもう一度はじめると、事件から1年後の主人公たちの生活が見ることができる。