「Angel Tower」の目的は、「天使の塔」と呼ばれる塔の中を探索し、その中のどこかにいるとされる「天使」を殺害すること。天使の塔は10の階層からなる。ただし、迷路のような各階層には危険な罠や隠し部屋など、さまざまな仕掛けが用意されている。さらに、それぞれが魔法陣によって複雑に繋がり合う奇怪な構造で、プレイヤーがいま何階層目にいるのかもわからない。

各階層にはさまざまな怪物が待ち受けており、目についた人間めがけて襲いかかってくる。しかも、どの怪物もとてつもなく強い。防具を一切持たず、武器といえば貧弱なダガー一つ、しかも魔法の一つも知らないゲーム開始時点のプレイヤーでは、最も弱い敵ですら一撃で屠られてしまう。

プレイヤーは、この難攻不落の塔の中で、怪物の目を逃れてどうにかして生き延びてきた（先に塔にやってきた）人々から情報を集めたり、魔法を教わったりしながら、少しずつ内部の探索を進めてゆく。怪物を倒しながら経験を積んでレベルアップするとともに、お金を稼ぎ、商人たちから武器や防具、薬品などを買い揃えてパワーアップする。

ゲームは全画面フル3D。キーボードまたはジョイパッドでプレイできる。主人公の移動は、前進、後退、左右の旋回、左右の平行移動が可能。視点を上下・水平に変更することもできる。攻撃は、武器を使ったものと、魔法を使ったものの2種類が用意されているが、魔法攻撃にはMPによる使用制限がある。ゲームのセーブはダンジョン内に点在する十字架の前で行える。

安心して動き回れるのは、一番最初に主人公が足を踏み入れるグラウンドフロアと各階層にあるセーフティゾーンのみ。それ以外の場所では常に緊張の連続である。モンスターの致命的な一撃を食らったらまずいのはもちろん、ダンジョン内でのHPやMPの回復が簡単ではないため、たとえわずかなダメージでも受けると、そのあとの展開がつらくなる。最初はセーブポイントの位置もわからないため、死んでしまったら一からやり直しなので、特につらい。

とにかく最初のうちはモンスターと出会っても決して戦わずに逃げ回った方がいいだろう。運がよければ、そうやっている内に役に立つアイテムを手に入れることもできる。また、たとえモンスターと戦えるようになったとしても、真正面から立ち向かうのは無謀だろう。常に回り込んで、背後からの攻撃を繰り返した方が無難である。

このように、先に進むのに非常に苦労をするゲームだが、それだけの価値はある。他のゲームのように簡単に先を見ることができない分、攻略が進んだときの喜びも一入だ。こまめにセーブを繰り返しながらじっくりとプレイしよう。ただし、細かい模様の壁などが3Dで描かれたゲームなので、ゲーム酔いする人は少し注意が必要かもしれない。

開発中、バランス調整にはかなり苦労しました。初期バージョンではかなり難易度が高く、敵の一撃でこっちが死んでしまうほど。……さすがに直しましたが。また、開発中には見つからなかった無数のバグが公開後に多数見つかり、プレイしてくれた人、またバグを報告してくれた人に対してご迷惑をかけることとなりました。やはりテストプレイだけは何度も何度もやって、確認をしなければなぁと、繰り返し思いました。

一応、今回のバージョンでイベントの追加などの変更は終わりです。これからはバグの修正、次回作の制作に力を入れたいと思っています。量より質、皆さんに満足していただけるようなゲームを作りたいと思っています。