舞台は、雲の上に浮かぶいくつもの島からなる「スティリア」という世界。10年ほど前、個人用の空飛ぶ乗りもの「カイト」が発明された。カイトを操り、島々の間を自由に行き来できる「カイト使い」は、人々の憧れと尊敬を集めていた。主人公のリトは、そんなカイト使いに憧れる少年の一人。しかし、カイトはとても高価で手が届かない。お金を貯めてカイトを手に入れる日を夢みながら、学校での魔法の授業と、伝書バトを使った郵便の仕事の日々を過ごす……というストーリー。

RPGにつきものの「魔法」はこの世界にもあるが、レベルアップや習得の方法が変わっている。訓練やモンスターとの戦闘ではなく、マップ上に落ちている「魔法の結晶」を集めてレベルを上げ、新たな魔法を覚えてゆく。キャラごとに得意（または不得意）な魔法属性が異なるため、プレイヤーは「どの属性の魔法をレベルアップさせるか」という育成の楽しみも味わえる。

カイト入手後は、「飛行ゲーム」が追加される。島と島の間を渡る「通常モード」と、他のキャラとカイトでバトルを行う「追撃モード」の2種類の飛行モードがある。どちらもタイムカウントが0になるまでの間、一定以上の「高度」と「体力」を維持し続ける必要がある。どちらかが切れてしまうと、即ゲームオーバーとなる。

魔法のレベルアップは「魔法の結晶」を使うことで経験値と関係なく行えるし、ある程度ゲームが進むと、ミニゲームをやることでお金や装備をいくらでも手に入れることができる。少なくとも筆者がプレイした範囲では、無理に経験値を稼いだりしなくても、アイテムを探しながら普通にマップを移動しているだけでレベルアップでき、どんどんゲームを進めることができた。ボスキャラとの戦いはさすがに苦労したが、それでも魔法とアイテムを駆使することで、なんとかなった。

マップ上をくまなく探索することもできれば、すっ飛ばしてどんどん先に進むこともできる。他のキャラとの会話や、ゲーム中の行動による分岐もありそうな雰囲気だ。いろいろな仕掛けが用意されていそうなマップも含めて、一度クリアしたあとにも、繰り返し楽しめるように思う。

サクサクとゲームを進めたい人も、じっくりと隅々まで味わい尽くしたい人も、どちらもそれなりに楽しめる、よく工夫された自由度の高いゲームといえる。

開発中に苦労した点
思うようにイベントが展開しなかった点です。自然な会話でストーリーを進めていきたかったのですが、自分の考えていたストーリー展開にしようとすると、会話の流れが不自然なものになってしまったりして……大変でした。

また、キャラクタに動作をつけるのも苦労しました。A地点からB地点へキャラクタを移動させたいのに、途中で壁にぶつかって動かなくなっていたり……、キャラクタに無駄にジャンプをさせてみたり……と、動作の指定、確認でかなり試行錯誤しました。

ユーザにお勧めする使い方
本編とおまけが半々くらいのボリュームで作られているRPGなので、サクッと楽しみたい人は本編のストーリーのみを追って、逆にとことん攻略したい人は本編とおまけの両方を攻略するのがよいと思います。特に目立ってお勧めできるシステムはないRPGですが、明るく楽しい雰囲気はあると思いますので、そのような雰囲気を楽しみたい人にはお勧めします。

作者の僕自身が楽しんでテストプレイしていたゲームですので、ゲーム性はあると思います。ただし、後半は少々手応えがありすぎる部分もあるかもしれません。バージョンアップのたびに難易度は下がってますが……。

今後のバージョンアップ予定
不具合修正とバランス調整は定期的に行っています。Ver.1.0が出てから1年以上経ってもバージョンアップを行っていますので、不具合があれば今後もバージョンアップを行っていく予定です。