ソフトを開発しようと思った動機、背景
はじめて「英辞郎」と呼ばれる大容量の辞書データのテキストファイルを入手した際、このデータを利用して、その内容を効率よく縦横無尽に取り出して利用できる、自分専用の検索ツールを作ろうと考えました。本来は個人で利用していましたが、のちにその辞書データを利用している方々が非常に多いことを知り、一人だけで使うよりも、多少でも興味のある方がいらっしゃるのであれば利用していただきたいと考えて、少し化粧直しをして公開することにしました。開発中に苦労した点
Microsoftのデータベースアーキテクチャを利用して、多くの場合、時間が空いているとき気長に作成しましたので、特に苦労したというところはありませんでした。APIや関数等の使い方などについてはネット上のレファレンスやサンプルも参考になりました。
ユーザにお勧めする使い方
─ まずはすべての機能を使ってみてご意見をいただきたいというのが正直なところですが、特にお勧めしたいのが「ワイルドカードビルダ」機能です。見出し語の前方、中間、後方一致検索はどの検索ソフトや電子辞書にもあるかと存じますが、このワイルドカードビルダはこれらの検索方法を統合したような機能で、
- <>dd見出し語の文字が「○○で始まり、□□で終わるのがわかっていて、その間に△△の文字が含まれていたのもわかるけれど、正確なスペルがわからないのでお目当ての単語、熟語の定義の確認にあれこれ時間がかかる……」
- 「あいまいなスペルの部分の文字数などはわかっているのだけれど……」
という場合など、わかる範囲の情報をダイアログに入力すると(手動では慣れてないと面倒な)ワイルドカード文字列を自動生成して検索することを可能にするツールで、目的の単語、熟語を時間をかけずに探し出すのに便利な機能です。─ 「訳語項目中の文字列検索」ならびに「用例項目中の文字列検索」機能もぜひ利用していただきたい機能です。これらの機能では、訳語あるいは用例項目の中からユーザが指定した文字列が含むレコードを検索・表示することができます。前者の機能では辞書が英日の場合、日本語訳からピッタリとしたニュアンスの英単語や英熟語を「逆引き」して検索することも可能です。後者の機能では、もし「英辞郎」などのテキストデータを変換してご使用になりますと、指定した文字列を膨大な用例の中から検索・表示を行って、その単語・熟語の使い方(用法)を確認したり、そのセンテンスを参考にして実際に文章を作成したりする際に活用することもできるでしょう。
─ さらに、試していただきたい機能は、英文読み上げ機能です。他のソフトと異なるのは見出し語の発音のみならず画面上のすべての英文をマウス範囲指定して、その範囲の(用例中の長いセンテンスなども含めて)英文の発音を確認することができます。
今後のバージョンアップ予定
今後のバージョンアップ予定としては、
- 公開したばかりですので、まずはアプリケーションの安定性
- 辞書のグループ化
- さらなる検索機能の多様化
- 検索の高速化
- 過去に検索した見出し語等へ簡単に戻ることのできるヒストリ機能
- 現在、他の辞書データを変換して利用する際、変換元ファイルとしてテキストファイルのみ対応となっている機能を、バイナリファイルも含めて変換できるようにする
などを取りあえず挙げることができると思います。また、デザインから作成まで、一から十まですべて一人で作成し、その過程でも他の方からのフィードバックをもらうことなく公開しましたので、「井の中の蛙」という感があります。実際に多くのユーザの方々に使用していただき、実際どのように感じるか、できるだけご意見、ご要望をいただいて、将来のバージョンアップに反映していきたいと考えています。
(smallisland)