「扉〜とびら〜」は、プレーンテキストのほか、HTML文書の閲覧を行える、軽快な動作のテキストビューア。対応形式のファイルをドラッグ＆ドロップで開けるほか、クリップボード上のテキストデータを読み込むこともできる。対応DLLがインストールされていれば、LZH/ZIP/RAR形式のアーカイブに含まれるファイルを閲覧することも可能だ。

柔軟なスタイル設定や自動頁/行送りなどにより、快適な文書閲覧を行えることが大きな特徴。スタイルで設定できる項目は、

• 縦書き/横書き表示の切り替え
• 3段までの段組表示
• 左右上下のマージン、行間・文字間
• 本文フォント/ルビの色や大きさ
• 背景色や背景用の画像ファイルの指定
• 行頭・行末の禁則文字、英文ワードラップ
• ヘッダ/フッタ

アンチエイリアス機能も備える。本文/ルビ個別に「あり」「なし」を設定することが可能で、本文文字はアンチエイリアスあり、小さなルビはアンチエイリアスなしといった使い分けができる。

設定したスタイルは、名前を付けて10種類まで保存することが可能。設定済みスタイルの切り替えは、メニューから簡単に行える。

自動頁/行送りでは、1〜1,000秒の1秒単位で実行間隔を指定できる。いずれかを排他で設定できるようになっている。

キー/マウス操作への機能割り当てや検索、「栞」で、文書内の行き来などを自由に行えることも特徴のひとつ。キー割り当てでは、【↑】＝1頁戻る、【Ctrl】＋【G】＝頁ジャンプなど、あらかじめ17種類の操作が割り当て済み。マウスでは「中ボタンを押しながら下に移動」などに特定動作を割り当てられるなど、簡易マウスジェスチャ機能を備えている。「栞」は、20個まで登録することが可能。20個を超えると、自動的に古い順で削除される。不要になった「栞」を、ユーザが手動で削除することも、もちろん可能だ。

今回「扉〜とびら〜」を使ってみて、特に縦書きの表示でビューアのありがたさを感じた。小説のような文章では、やはり縦書き表示してくれる方が何倍も読みやすい。パソコンで読む場合、インターネットで見つけたテキストを表示するケースが多いと思うが、いろいろな形に整えられた文書が相手なので、「スタイル」でいくつもの設定を切り替えられるのも便利だ。フォントやサイズはもちろん、行間なども好きなように決められるので、自分の画面と相談しながら疲れない表示形式を選択することができる。またアンチエイリアスで文字をスムーズに表示できるため、ちょっと大きめの文字にしていてもギザギザした感じがなくて見やすかった。

普通のテキストだけでなく、HTML形式や青空文庫で使われているルビタグにも対応しているので、作者が意図した形式に近い形で表示することもできる。本を読むときにほしくなる栞は、20ヵ所まで挟んでおける。20ヵ所になると、栞というより付箋紙のような使い方ができるので、あちこち飛びながら参照するようなときにも便利だ。ファイルはウィンドウにドロップするだけで表示できるし、アーカイブ内のファイルを閲覧することもできるので、テキストを簡単に開ける。

ブラウザからカット＆ペーストするだけで格段に読みやすくなる場合も多いので、みなさんにもビューアの使い心地を試していただきたい。