「Bottom Line Lite」で利用できる機能は、

• 縦軸に時間を配置した、1日単位の「デイリー・チャート」
• メモを自由に貼り付けられる「メモ・ボード」
• 1ヵ月表示の「カレンダー」

デイリー・チャートは、15分単位で横罫線が引かれたノート風のスタイルで、ガントチャートを縦置きにしたような感じ。スケジュールの登録は、開始・終了時刻をマウスドラッグで設定して行う。スケジュールの内容は、スケジュール線（帯）の横に表示されるウィンドウに入力すればよい。このウィンドウのタイトルバー部分には、設定した開始・終了時刻が表示されるようになっている。チャート上でのスケジュールの表示位置や開始・終了時刻の変更もマウスドラッグで行うことができ、直感的に扱える。ウィンドウをタイトルバーのみの表示にして、スケジュール線と内容の一部＋開始・終了時刻を表示させることも可能だ。

メモ・ボードは、自由な掲示板のようなもので、メモを適当な位置に貼り付けて内容を書き込める。チェック欄付きのメモを作ることもできる。

スケジュール、メモともに、項目単位で背景色や文字のフォント/サイズ/スタイルを設定することが可能。スケジュール線の色を個別に設定することもできる。これらの属性はもちろん、あとから自由に変更することが可能だ。

時間に縛られないメモをデイリー・チャートに貼り付けることもできる。例えば、その日中に締め切りが来るToDo項目や、複数日にまたがるスケジュールなどを登録しておくのに便利だ。また、メモ・ボード上のメモをデイリー・チャートに移動したり、逆にデイリー・チャートからメモ・ボードへ移動することも可能だ（ただし、時間入りのスケジュールをメモ・ボードに貼ることはできない）。

時間軸のあるノート型のスケジュール管理ソフトはそれほどめずらしくないが、デイリー・チャートでは、時間の重なる複数のスケジュールを並べて表示できる点が、アドバンテージといえる。また、デイリー・チャート上のスケジュール項目については、内容と時間範囲を1行にまとめて表示することもできるので、スケジュールの項目数や文字量が多くなった場合でも、表示が重なるのを避けられる。

スケジュール/メモ項目に対する色指定では、スケジュール線/スケジュール背景/メモ背景でそれぞれ異なる色候補が用意されており、いずれも中間調の色味で美しい。「マグマレッド」「アクアマリン」といった色の名前にもこだわりが感じられる。さらに、「開始時刻〜終了時刻」までをマウスドラッグによって行える、スケジュール/メモの複製も簡単に行えるなど、操作についてもなかなかこなれている印象だ。単なるスケジュール帳に一味加えた、「スケジュール＋メモ帳」という新しいカテゴリーのソフトとして、便利に使えると思う。

開発中に苦労した点
手書き感覚ということに重点を置きたいので、どのような表現、どのような動きをさせるのか……、それを考えるところが難しかったですね。そこは、PDAの動きが参考になりますが、PDAと違ってパソコンでは許容範囲が広いので、そこをどのようにするのか、考えてしまうところです。また、操作の中で、他のウィンドウをどんどん開いて入力する形式だと、作る上では比較的簡単なのですが、それだとマウス操作とキーボード入力が交互に何度も発生して非常に効率が悪いんです。電車の中や、どこかの休憩スペースの椅子に座って使っている場合、その動きは部屋の中で使う場合よりも負担に感じてしまいます。そこで、極力少ない操作でスケジュールやメモを表現できるように、その点を考えて作るようにしています。

ユーザにお勧めする使い方

ぜひ、手書き感覚で使っていただきたいです。思いついたときに、鉛筆を使って紙に書き込むように、まずは、線を引いて、それで内容を脇に書く。そんなメモ感覚で、どんどん書き込んで使っていただくと、より「Bottom Line」の特徴を活かせるのではないかと思います。

今後のバージョンアップ予定
これまでは、ゆっくりと開発してきましたが、かなり機能の安定性が出てきました。ですので、これからは、表現の充実と、入力方法の多様性の向上ということで、精力的に、よりよいものにしていきたいと思っています。そして、Mac OS X版も今年の早い段階でリリースする予定でいます。そうなりますと、「iCal」というものが存在しますが、方向性として「iCal」にない部分、不満に思う部分をカバーできるような方向に持っていければと思っています。