「吹き吐きさん」は、画像ファイルとTABLEタグにより、「吹き出し」を作成できるHTML出力ソフトだ。吹き出しの枠に付いている、キャラと吹き出しをつなぐための突起（クチ）の位置と形状、吹き出しの枠と内部の色の組み合わせにより、多様な吹き出しを簡単に作成できる。TABLEタグを利用し、吹き出し内部の文字数や改行に応じてサイズが変わるため、セリフがはみ出す心配はない。

クチの位置は、吹き出しの枠に沿って右回り/左回りに移動させ、12ヵ所から選択することができる。形状は、通常の発音用3種類、心の中や考えを表すような無音のセリフ用2種類の、合計5種類から選択可能。枠線および内部の色は、カラーパレットを利用して指定することもできる。吹き出しが見やすいように、背景色を設定することも可能だ（作成されるHTMLでは透明になる）。プレビュー画面を見ながら作成できるようになっている。

実際の吹き出しは、PNG形式の27個の画像ファイルとTABLEタグで表現される。画像ファイルは吹き出しを保存する際に作成される。同時に、吹き出し内の仮のセリフとして“#”が30個並んだ、レイアウト用のHTMLファイルが出力される。

吹き出しの「クチ」の形や位置がある程度自由に選べるのは実に便利。イラストや写真と組み合わせる場合でも、向きや配置したい場所に応じてクチの位置を調整できるし、実際の「発音」と、心理的な「無音」を使い分けられるので、さまざまなシーンで利用できる。吹き出しの枠や内部の色を変えられるので、ホームページのカラーデザインと違和感が生じる心配もない。吹き出しの作成時に、背景色を実際のホームページに合わせれば、配置後のイメージもしやすいだろう。

HTMLファイルを書き換えることでさまざまな使い方が考えられるが、使いこなすにはHTMLに関する知識が多少要求される。ヘルプにも記述されているが、「ホームページビルダー」「FrontPage」といった、ホームページ作成ソフトを利用しているユーザには、少し敷居が高いかもしれない。とはいえ、HTMLの基本はエディタによるタグ打ちである。興味を持たれた方は、これを機会にHTMLの文法を学習するのもよいと思う。基本的なタグの文法とフォルダの構造を理解すれば、問題ないはずだ。

あくまでも、吹き出しを記述する部分のHTMLファイルとPNGファイルを出力する支援ソフトであり、ページ全体は別途、HTMLドキュメントを作成する必要があることを理解して、有効に利用したい。

ただ、それを自分でやるとなると、私は色彩のセンスはないですし、作業自体は単純作業なのに作業量が結構あるしで……、「えーい、やってられるか！　面倒だ！」と思い、自動化してみたのがこのソフトです（結局自分が作った素材を使ってほしかったてことですね）。

開発中に苦労した点
ユーザインタフェースかな？　操作そのものもそうなんですが、出力されるデータをどんなふうに出力してあげれば使いやすいのかというのが問題でした、というか問題です（←現在進行形）。

いまでももう少し何とかならないかと考えるんですが、現バージョンがいまの私の限界です。結局、出力データの使い方の解説書を付けないといけなくなってしまって……。ああこれも苦労したなぁ。

理想は「マニュアルを見せずに全部の操作ができる」なんですが……難しいですね。とはいうものの、開発初期のものよりはかなり使いやすくなっていると自負しております。HTMLに慣れている人なら、難なく使えるようになるはずです。

ユーザにお勧めする使い方
私は色合いがどうこうというのはよくわかりません(^_^;)。私から言えることは「思いつくまま、気に入った色が見付かるまで試しながら探して使ってください」ということです。

今後のバージョンアップ予定
付け加えたい機能、付けなければいけない機能はいくつかあるんですが、なんせ気が向いたときにしかプログラムをやらない人なもので……、致命的なバグでもない限り、スローペースで開発を続けていく予定です。