メイン画面（フォーム）には、左側にメモを管理する「ページツリー/ブックツリー」、中央にメモ編集領域、右側にツールバーが配置される。メニューバーがない点、ツールバーには縦にアイコンが並ぶ点などがユニークだ。メモ編集領域に書かれた内容が変更されるたびに、メモは自動的に保存される。左側は「ページツリー」または「ブックツリー」を、ラベルのクリックで切り替えて交互に表示する。設定によりツリー部を非表示にすることも可能だ。

フォームの呼び出しは、タスクトレイアイコンのクリックまたはホットキーで行える。ホットキーには「フォームを隠す（最小化）」を設定することも可能で、キーボードのみでフォーム呼び出し→メモ入力→フォーム最小化を行える。また、フォームからマウスが離れたときや非アクティブになったときなどに、自動的にタイトルバーだけの表示にする「ウィンドウの折りたたみ」機能があり、常にデスクトップ上に表示させておいても邪魔にならない。メモの入力は編集領域での直接入力だけでなく、テキストファイルのドラッグ＆ドロップなどでも行える。もちろん、テキストファイルへの書き出しも可能だ。

すべてのメモは、「ページ」と「ブック」の二つの単位で管理される。ページは、類似内容のメモなどを複数に分けておくもの、ブックはページの上位管理単位で、複数のページを束ねておくものだ。ページ/ブックには、ユーザが任意のタイトルをつけられるほか、ページタイトルの場合は、ページ内の1行目を自動的にタイトルにすることもできる。さらに、ページに5段階の重要度を設定し、色分け表示させることも可能。ページツリー内では、新規ページの作成やページの削除はもちろん、表示位置の上下移動、他のブックへのページ移動といった操作を行えるようになっている。

メイン画面のデザインそのものもコンパクトで、他のソフトと同時に使用しても邪魔にならない上、動作も軽快。ウィンドウの折りたたみや透明化、ホットキーによる呼び出し時の動作など、常時デスクトップ上に表示していても妨げにならず、それでいて入力には即応できるよう、よく考えられていると感じた。スキームファイルによって配色を簡単に変更できるのもデスクトップのデザインにこだわる人には便利だろう。

大量のメモを「ブック」と「ページ」で分類して管理できる。ブックツリー、ページツリーによる操作もシンプルでわかりやすく使いやすい。複数のユーザが個別の設定とメモを持てるのも便利だ。

開発中に苦労した点
私にとって、プログラミングは数少ない楽しみの一つであり、遊びですから、楽しく作っていました。ただ、ブックの中のページをうまく管理する部分には苦労しました。ページ移動をするとページが分裂してしまったり、デバッグ中にページが全部ブックから消えてしまったり、いろいろと問題が発生しました。ページの管理は「TMemo」の一番大事で複雑な部分ですから。

ユーザにお勧めする使い方
常駐させて、ちょっとメモをとりたいときに（ホットキーなどで）呼び出してみてください。あとはスキームを切り替えたり、イベントサウンドを好みのものに変えたりして、見た目にもきれいなメモ帳として使っていただければ幸いです。

今後のバージョンアップ予定
ヘルプに書いている通り、外部ツールを扱う機能をつけたいです。それにページの検索や、ブックごとの保存などの機能を持たせれば、「TMemo」自体はシンプルなままでいられますし、ユーザさんが思いがけない使い方をしてくれるかもしれません。「TMemo」自体はいままで通り、軽く、ほんとにただのメモをとるソフトのままにしたいですが、それでもできるだけ高機能に、メモをとっておいて、あとで使うとき便利なように、いろいろと調整していきたいです。

思いつくままにソフトを増やしてしまったり、趣味やホームページを増やしてしまったり、そのせいでうまく時間が作れないこともあるでしょうけど、どうか優しく見守ってあげてください。