ゲームモードは「通常モード」「ストーリーモード」の2種類。通常モードではひとつのチームをずっと育ててゆく。「ストーリーモード」では3〜4年ごとに転勤があり、監督としての能力を上げると、フリーの監督にもなれる。フリーの監督にはノルマが課せられ、達成できない場合は最悪、解雇もあり得る。

監督となるチームは全国4,000以上の高校から選べる。登録されている高校には、それぞれ「投」「攻」「守」「走」の能力値が設定されており、チームの戦力を確認した上で選択できる。プレイヤーが高校を新設することも可能だ。

ゲームの開始は4月1日。練習や練習試合で力を蓄えながら、甲子園を目指す。監督として最初の仕事は練習メニューの作成。「フリーバッティング」「守備練習」「走り込み」など、14種類の練習から合計180分のメニューを学年ごとに作る。さらに選手には一人ひとりに「長打力」「選球眼」「守備力」といった能力が設定されているので、その能力を見ながらオーダーを決める。練習試合は、大会中や冬の期間を除き、いつでも申し込める。相手から申し込まれることもある。

試合は、実際の野球のルールに則って行われる。画面には投手や打者のデータ、アウトカウント、走者のほか、球種やスピードが表示される。1球ごとにリアルタイムに投球・打撃動作が表示されるので、テレビの野球中継のような感覚で試合を見ることができる。試合中には選手交代はもちろん、選手に対して1球ごとに指示を出せる。攻撃では「バント」「スクイズ」「エンドラン」「盗塁」などの指示を、また守備では内外野の守備位置や、「ウエスト」「敬遠」など投手に対する指示を与えられる。監督と選手との信頼が強まると、出せる指示の種類が増えてゆく。

1年が終わると、監督の評価に応じて部費が支給される。支給された部費は、試合の経費や備品の購入に充てることができる。また、新入生のレベルは、監督の評価で変わってくるため、いい選手を集めて強いチームを作るには、まずプレイヤー自身が監督として成長する必要がある。

グラフィック面などでは市販の同種ソフトに比べるとやや見劣りする感は否めないが、ゲームを楽しむ上ではこれで十分だし、投球の球筋などはなかなか迫力があってよくできていると思う。

シミュレーションゲームの性格上、当然のことではあるのだが、特に「高校野球シミュレーション2」はしっかりと腰を落ち着けてプレイした方がいいだろう。例えば選手のポジションもはっきりと決まっているわけではなく、最初に表示されるポジションが選手の特性にあったものとは限らない。まず、選手一人ひとりの適性をよく見て、最適なポジションを探すところからじっくりはじめたい。試合中に出せる指示の種類や、部費、新入生のレベルなどはすべて監督の力量で変化するので、目先の勝利よりも監督としての能力向上を念頭に置いてプレイした方がよいように思う。

130kmを超える球を投手が投げると捕球音が変わったり、失投やミスをしてしまった選手が「あ！」と声を上げるなど、細かな工夫も楽しい。高校野球好きの人はもちろんだが、誰にでも問答無用にお勧めできるソフトである。

開発中に苦労した点
技術的な点を挙げればDirectXです。今回はじめて使用しましたので。内容的にはやはりゲームバランスとデータ設定ですかね……。前作（「高校野球シュミレーション」）は簡単だったとの意見がわりと多かったので、難易度を上げました。データ設定は92年から毎年買っている高校野球の資料やインターネットを見て、いろいろ試行錯誤しました。

また、今回は「裏技」と「レア」の要素を採り入れました。裏技により、隠しデータを見ることができたり、レアイベントにより、突然選手がすごい能力を手に入れたりと……。幸福の不細工猫を見ることができましたか？

今後のバージョンアップ予定
今回の「2」に関しての機能は、これ以上増やしません。あとはバグの修正のみです。ただ「2」までで自分のやりたかったことの7割程度は実現できました。また来年、高校野球シーズンのときあたりに自分の頭の中の構想をすべて実現させた「3」をリリースできればと思っています。内容に関しては秘密です。