機能は、樹形図のレイアウト作成とデータ入力の二つに分けられる。レイアウト作成では、樹形図の方向を縦（起点から下へ伸びる）と横（起点から右へ伸びる）の2種類から選択。さらに、メンバーの情報を入力する「箱」の数や列数、行数などを指定することで樹形図の形を決める。連絡網をいちいちユーザが手作業で配置する必要はない。起点となる1行目から、2行目/3行目へと枝分かれしていく場合、各行に対して最大何列（何人分）の「箱」を作るかを指定することが可能で、これらの組み合わせによって、さまざまな形の連絡網を作成できる。

自動作成された連絡網は固定され、「箱」やそれをつなぐ線を移動することはできない。しかし、ユーザが「箱」をコピー/ペーストしたり、任意に追加したりすることは可能で、この場合はマウスドラッグで自由な位置に移動できる。また、自動作成部分に対しては、「箱」の形を角丸や二重線に変更したり、線の種類や色を変えたりを一括で行える。自動作成連絡網の列数や行数などの全体のレイアウトは、作成後にいつでも変更することが可能だ。

連絡網へのデータ入力は、「箱」に対する直接入力か、リストからの読み込みで行える。直接入力の場合は、任意の「箱」を選択して、上下二分割された編集ダイアログを開き、「上に名前、下に電話番号」のようにデータを区別して入力する。入力したデータは「名前一覧」という別ウィンドウに登録される。

ExcelやAccessのデータファイルやテキストファイルなど、入力用のデータがリスト形式で用意されている場合は、いったん「名前一覧」に登録して、ここからから連絡網に自動的に流し込むことができる。「名前一覧」にデータを登録する際には、使用するデータファイルの中で「箱」に表示させたいフィールド（項目）を選んだり、条件に一致するレコードだけを抽出して、登録したりすることが可能。「名前一覧」でデータを選択して、任意の「箱」にドラッグ＆ドロップで入力することもできる。

リストを利用する場合の「箱」は、直接入力の場合と同様、二分割されているが、仕切り設定を変更することで、最大4行2列までの項目に拡張できる。読み込んだリスト内に「名前」「電話番号」という項目名があれば、それを自動的に登録させることも可能だ。

連絡網に対しては、（「箱」以外にも）テキストの入力や貼り付け、画像の挿入などを行うことができる。「箱」の中の文字は、簡単なパターンマッチングを使った一括加工（文字列の追加）、テキスト配置の変更（左寄せ/中央揃え）、「箱」の大きさに合わせたフォントサイズの最適化などを行える。「箱」間でのデータの入れ替えは、入れ替え元を入れ替え先にドラッグ＆ドロップするだけでよい。

いったん「名前一覧」に登録してしまえば、任意の「箱」へドラッグ＆ドロップで人を割り当てることができ、しかも一度割り当てると「名前一覧」からは消えるので同一人物を二重に割り当ててしまう心配がない。もちろんいったん「箱」に登録した名前を「名前一覧」へドラッグで書き戻すこともできるし、別の人物を「箱」へ上書きすると前の人物は自動的に「名前一覧」へ戻るようになっている。

連絡順序を特に考慮する必要がないのであればいきなりリストから流し込んでチャートを埋めてしまってもいいし、最初と最後だけ決めておいて、そのほかの空いたところは適当に流し込むこともできる、というように、入力方法については実によく考えられている。

加えて「名前一覧」への登録においても、ExcelやAccessのデータであれば直接フィールドを取り出して利用できるし、データの抽出結果だけを登録することもできるので、データの再加工が必要ないというのも便利な点だ。

ただし、ユーザインタフェースにはかなり個性的な部分がある。印刷や保存のコマンドはツールバーのボタンからのみ実行可能で「ファイル」メニューにはコマンドが用意されていなかったり、ダイアログボックスを閉じるのに「クローズ」ボタンを使わなければならないものがある（「OK」や「キャンセル」ボタンをクリックしても閉じない）といった点は慣れが必要だろう。

また「名前一覧」に登録するデータを抽出する場合、最後のフィールドの名前が正しく表示されていないため抽出条件として使用できなかったり、初期状態のレイアウトのままでは、「箱」に直接入力した文字が表示されないといった症状も見られるようだ（筆者の環境では、いったんレイアウトを変更したら表示されるようになった）。

基本となる部分の使い勝手は良好なので、こうした部分がもう少し洗練されれば、全体の使いやすさはグッとアップするだろう。

なんとか作るには作ったのですが、使いやすいとはとてもいえないものでした。その後、何回かバージョンアップは行っていたのですが、どうにも納得いかないまま、ほったらかしになってしまいました。ところが、今年の春、パソコンが突然壊れてしまい、悲しいことに作成したソフトも消滅してしまいました。さらに悲惨なことに、バックアップをとっていたFDも古くなりすぎて、すでに読み込めなくなっていました。落ち込む自分を奮い立たたせたのは「何とか、もとより使いやすいものを作ろう」という信念（怨念？）だけでした。

開発中に苦労した点
とにかく、以前作成したソフトがなくなってしまったので、古いバージョンの使い勝手をあまり変更しないよう、自分のソフトをダウンロードして（笑）、仕様を確認しながらの作業でした。

ユーザにお勧めする使い方
角の丸い長方形の箱型が追加されました。

今後のバージョンアップ予定
未定です。