メイン画面はシンプルで、立体図形を特定の一方向から見た「透視図」1面のみで構成される。立体図形は、この透視図上で、立体を構成する微少な平面（ポリゴン）を多数配置することで作成する。「TriangleEditor」では、ポリゴンとして使用できるのは三つの頂点を持つ三角形のみで、どのような複雑な図形でも三角形を組み合わせることで構成する。すべての図形が三角形であることから、画像の入力は、頂点を示す三つのポイントを順次示すだけという簡単な操作で行える。球をマウスドラッグだけで作成できる機能や、一つのポリゴンを3分割/4分割する機能もある。

ポリゴン同士を組み合わせる場合に便利なように、「頂点サーチ」と呼ばれる機能が用意されている。新たにポリゴンを配置する際、すでに存在する他のポリゴンの頂点のうち、最も近い位置にあるものを表示して、ユーザが選択した頂点をそのポリゴンの頂点とするもので、複数のポリゴン同士を完全に接触させた状態で配置することができる。頂点のほか、グリッドをサーチして頂点を配置させることも可能だ。

透視図を表示する際の視点は、キーボードのカーソルキーを操作することで変更できる。特に上下方向のキーは、図形を配置する際の奥行き方向の指定と、図形全体を前後方向に回転させる2種類のモードを利用できる。モードの選択はツールバーからワンタッチで行える。

作成したポリゴンは、マウスドラッグでの移動や切り取り、コピー＆ペーストなどが可能。複数の頂点を選択し、ドラッグでまとめて移動させることもできる。

しかし、いざ3Dモデリングソフトを触ってみると、たいていの人はその難解さに挫折してしまうことが多い。なにしろ3Dモデリングソフトは、最初に理解しなければならない概念や単語が、他のジャンルのソフトに比べると異常に多い。ソフトの操作性も、ソフトごとにばらばらで統一性がないので、多くの人はソフトを使いこなせないまま、せいぜいサンプルファイルを読み込んで表示させる程度で終わってしまうことが多い。

「TriangleEditor」は、そうした「3Dソフト挫折組」の人にこそ使ってみてほしいソフトだ。なぜなら、「TriangleEditor」における立体の概念は、すべて三角形ポリゴンで実現されているという、普通の人にとって非常に理解しやすいシンプルなものだし、機能的にもそう多くないソフトなので、実際に使ってみたときのわかりやすさは、他のソフトの非ではないからだ。

もっとも、単純であるがゆえに、例えばテクスチャの貼り付けやレイトレーシングを用いた「派手」なデータは作成できないという制約はある。しかし、そもそも3D「モデリングソフト」というのは、立体の形状を定義するためのもので、派手な絵を作成したり、動画を作成したりするのは、他のソフト（例えば「レンダラ」と呼ばれるジャンルのソフト）の仕事なのだ。「TriangleEditor」では、もちろん、そうした他のソフトでデータを利用しやすくするためのDXF出力機能を備えている。

「モデリング」の概念、初歩の初歩から学ぶのには、こうした基礎的なソフトが非常にに適している。3D CGについて理解したいと思っている人は、ぜひ試してみていただきたい。サンプルも同梱されているので、「ちょっとだけ触れてみたい」という人にもお勧めできる。

開発中に苦労した点
プログラムも大変でしたが、「どのようにすれば誰もが容易にすべての機能を使いこなせるのか」、また、必要以上にソフトが大きくなりすぎないように「本ソフトで本当に必要な機能は何か」といったことを考えるのに苦労しました。また、機能を追加すべきか、見た目の悪い不具合を先に直すべきか、などのプログラムの優先順位の決定には、いまも苦労しています。

ユーザにお勧めする使い方
はじめに球を作り、必要なところは三角形の分割でさらに細かいポリゴンにし、変形をして形を作っていく方法がやりやすいと思います。

今後のバージョンアップ予定
バージョンアップの内容は未定ですが、半年以内には何らかの形でバージョンアップを行いたいと思っております。